校長通信

キリスト教強調月間・全校修養会

キリスト教強調月間・全校修養会に寄せて
校長  三 井 貴 子 

 山梨英和中学校・高等学校では、11月をキリスト教強調月間と位置づけ、特別な月として、毎朝の礼拝も講師を招いて普段よりも充実させ、一日の全校修養会を持っています。それは、本校のキリスト教教育の原点に立ち返り、一人一人がどのように神様そして自分自身と向き合うべきかを考える機会を持つことが重要であると考えているからです。

 今年は講師として,キリスト新聞社社長,同社の季刊「Ministry(ミニストリー)」編集長の松谷信司先生をお迎えします。日本では信者数1%未満のマイナーなキリスト教を,子どもから大人まで幅広い世代に,ゲームや漫画,エッセイなど様々な方法でわかりやすく伝道していらっしゃいます。私も「Ministry」はいつも楽しみにしています。

先生が私たちに示してくださった主題は「進撃の隣人〜楽園(エデン)は何処にある?」、主題聖句は「行って,あなたも同じようにしなさい。(ルカによる福音書10章37節)です。「進撃の〜」という言葉を主題に使うことで,若者の心をつかみ,キリスト教を身近なものとしてとらえられるようにとの先生の想いが伝わってきます。松谷先生の講演を通して,これまで何度も触れてきた聖句「行って,あなたも同じようにしなさい。」が,どのように皆さんの心に響くでしょうか。

松谷先生をはじめとする、このキリスト教強調月間を通しての様々な出会いが、みなさんが自分自身を見つめ直すきっかけとなり、今後の人生の礎となることを心から祈っています。

SSHドイツ研修2018に寄せて

SSHドイツ研修2018に寄せて
校長  三井 貴子

 本校がSSH指定校に認定され6年目になります。5期生として皆さんは高い志を持って、これまで意欲的に課題研究に取り組んできました。9月に実施された中間発表会では独自の研究成果を堂々と披露し、運営指導委員の先生方からお褒めの言葉をいただきました。これまでにない多様なテーマをそれぞれが選択し、熱心に研究に取り組んできた様子に、皆さんの飛躍的な成長を実感しました。
 今度はその発表の場が国内から海外へと移ります。近い将来、グローバル社会で他者と共存して生きていく皆さんには、言葉の壁を乗り越え、多岐にわたり活躍して欲しいと切に願っています。今回のドイツ研修は、その第一歩となります。これまで、高度な研究をいかにわかりやすく英語で説明できるかが大きな課題でした。 Science in EnglishⅡの授業でも準備を重ねてきましたので、自分たちの研究を理解していただけるようベストを尽くしてください。間違いを恐れず、勇気を出して挑戦してください。
 これまで事前学習として、県内研修、国内研修を実施してきました。また、夏休みの期間を利用してドイツでの訪問先に関する調べ学習を行い、ドイツ語講座では簡単な会話の習得にも取り組みました。貴重な学びの機会だからこそ、十分な事前学習が必須であり、そのことによって大きな成果が得られると確信しています。そして現地では、これまでの学びを土台として、実際に「観て」「聴いて」「考えて」「発信して」いってください。
この研修は現地の受け入れをはじめとする多くの方々のお支えによって実現できるものです。この研修の目的を一人ひとりが自覚し、感謝を持って研修に臨んでください。
 この研修が、神様から祝福された豊かで実り多い研修となることを心からお祈りしています。これまで支えてくださった全ての方々に感謝いたします。

中学3年リトリートに寄せて

『神を信じ、平和をつくりだした人々に学ぶ』
 校長 三井 貴子
山梨英和中学校・高等学校の6年間の中で、学年行事として「修養会」を実施しているのは、高校3年生と中学3年生です。修養会を英語ではRetreatと言います。中学・高校のそれぞれの最高学年で「リトリート」を実施するのには、山梨英和の建学の精神に基づく重要な目的があります。それは「日常の学校生活から離れ、創造主である神の御言葉に耳を傾ける。自分自身を見つめ、自分の生き方・あり方を考える機会を持つ。お互いに協力し、隣人・他者を思いやる心を育む」です。
今年のリトリートのテーマは「神を信じ、平和をつくりだした人々に学ぶ」です。主題聖句は学年聖句である「あなたがたは以前には暗闇でしたが、今は主に結ばれて光となっています。光の子として歩みなさい。光から、あらゆる善意と正義と真実とが生じるのです。」(エフェソの信徒への手紙5章8~9節)です。皆さんは事前学習で、決してあきらめずに未開の地に新しい農村を作ったポールラッシュ博士、聖公会の清里の地における伝道の歴史、韓国の地で「隣人愛」を貫いた浅川巧について学んだことと思います。まさに、この先人たちは想像を絶する困難な中で、キリスト教信仰に基づき「神を信じ、平和をつくりだした」人々です。この先人たちのゆかりの地である高根町を訪れ、中学1年のメープルスクールで訪れた聖アンデレ教会で礼拝を守ります。
神様が創造された大自然の中で御言葉に耳を傾け、主題聖句と向き合ってください。現代もまた平和をつくりだすことが非常に困難な時代です。だからこそ、与えられた愛を他者とわかち合い、自分には何ができるのか、これからどのような生き方をしていくべきかを日常生活から離れて静かに考えてください。
これからの世界を担う皆さんが、「神を信じ平和をつくりだす者」として生きることができるよう、その土台を築く貴重な1日となることを心から祈ります。

カナダ・オーストラリア研修に寄せて

カナダ・オーストラリア研修2018に寄せて
校長  三井 貴子

 本校は海外研修においては山梨県内では最も古い歴史がありますが、2014年度に更に新たな試みをスタートさせました。カナダとオーストラリアの2箇所で同時実施となる研修に、今年は中学3年生と高校1年生が参加します。カナダはバンクーバー島にあるナナイモという穏やかな地での3週間の語学研修、オーストラリアでは前半はサイエンスキャンプを、後半は姉妹校のMentone Girls’ Grammar Schoolで語学研修を実施します。
この海外研修には3つの大きな目標があります。第1に「国際性を身につける」、第2に「コミュニケーション・ツールとしての英語を使いこなせるようにする」第3にカナダは「山梨英和のルーツを知る」、オーストラリアは「サイエンスキャンプを通して自然環境を学ぶ」です。
 まず、1つめの目標である「国際性を身につける」ために、知っておいて欲しい事があります。それは、「人種・民族を超えて地球人として生きる」ことの重要性を再認識して頂きたいのです。カナダやオーストラリアは、日本のような単一民族国家とは違い、様々な国からの移民によって構成されている多民族国家です。当然、出身国によってそれぞれ違う文化を持っています。その中に飛び込んでいきましょう。ホストファミリーや現地で出会った方々に対して感謝の気持ちを常に持って、日々の生活を充実させてください。
 次に、2つめの目標である「コミュニケーション・ツールとしての英語を使いこなせるようにする」ためには、意欲的に英語力の向上に努めることです。聞いたり、話そうとする積極性が必要です。これまでの皆さんの先輩は、reading, listening, writing, speakingの4技能全てにおいて、海外研修後に飛躍的に英語力が向上しています。皆さんの取り組みが、そのまま結果として現れます。分からないことは、恥ずかしがらずに質問しましょう。積極的に英語で発進しましょう。今までの自分の殻を破って、どんどん挑戦してください。
 最後に、3つめの目標は「山梨英和のルーツを知る」、「サイエンスキャンプを通して自然環境を学ぶ」ことです。カナダでは本校の宣教師として最後の校長Miss Greenbankのお墓参りも計画されています。山梨英和のキリスト教を基盤とする教育理念を再認識してください。また、オーストラリアでは大自然を体感し自然環境について科学的に学びます。姉妹校であるMentone生との友好も深めてください。
 この2つの研修が、神様から祝福された豊かで実り多い研修となることを心からお祈りしています。大きく成長した皆さんの帰国を待っています。

学園祭2018に寄せて

『太陽に向かって』
 山梨英和中学校・高等学校校長 三井貴子

創立129周年を迎え、2018年度山梨英和中学校・高等学校の学園祭を開催できますことを嬉しく思います。今年度の学園祭も生徒会が牽引し、全校生徒が一丸となって準備を進めてまいりました。本校の今年度の教育目標は「論理的思考力を身につける」ですが、昨年度までの取り組みを論理的に分析し、全校制作や学年企画でも新たな取り組みに挑戦しました。今までと違う流れを作る時には、必ず摩擦が生じます。その解決法を思考し力強く一歩一歩前進することで少しずつ流れが変化します。もちろん、一人より二人、二人より三人の方が流れを変える大きなエネルギーになります。それを成し遂げた今、生徒たちは達成感と充実感で満ち溢れているはずです。そして、この経験こそが彼女たちの未来を切り開く源になると信じています。

今年の学園祭のテーマは「ひまわり」です。ひまわりは、花が太陽と同じ方向を向いて咲くことから漢字で「向日葵」と書きます。成長期のひまわりは、朝方は東を向いて日の出を待ち、夕方になると太陽を追って西向きに咲く性質を持っています。成熟期に入ったひまわりは、ずっと東を向いて咲いています。生徒たちも、この多感な成長期には光が指し示す方向をあちこち向いて、様々な角度から事象を観察して論理的思考力を養い、最終的には向くべき方向をしっかり定め、どんな強い日差しにも怯むことなく立ち続けられるようにと願っています。

 学園祭は生徒たちが自己表現できる大切な行事の一つです。今年度も「合唱祭」「舞台発表」「一般公開」と3部構成での実施になりますが、幾多の困難を乗り越えて本日を迎えています。保護者の皆様を始め、多くの皆様方のご来校を感謝し、心から歓迎いたします。様々な角度から、生徒たちの 「ひまわり」 をお楽しみください。

同窓会通信への寄稿

『 創立130周年に向けて 』   校長 三井貴子

山梨英和中学校・高等学校は、来年2019年に創立130周年を迎えます。この3月に巣立っていった高校3年生を含め、これまでに11,143名の卒業生を送り出してきました。4世代を超える同窓生の皆様に支えていただき今日がありますこと、心より感謝申し上げます。キリスト教信仰を土台とした唯一の女子教育機関として山梨の地にたてられ、女子に教育はいらないと言われていた時代に、女子に希望と夢を与えた山梨英和は、生徒一人ひとりの人生に多大な影響を及ぼし、様々な分野で社会貢献する女性を育ててきました。困難な時代にあっても、本校の教育理念を貫いてきた先人たちの想いを、これからも引き継いでいかなくてはいけないと痛感しています。
4月に中学1年生と高校1年生を迎え、生徒たちの明るい声が校内に響いています。同窓生のお嬢様方も入学してくださっており、入学式で賛美歌や校歌を親子で歌い目頭を熱くされているご様子を拝見し、これも神様のご計画なのだと感謝の気持ちでいっぱいになります。昔も今も、山梨英和が新しい発見の場、切磋琢磨して臆せずチャレンジできる場、感動の場、ホッとできる場であり続けることを心から願っています。
神様が私たちにそれぞれ違うタラントンを与えてくださり、愛してくださっていることに感謝し、他者のために何ができるのかを摸索しながら山梨英和での日々を豊かに過ごせるよう、寄り添いながら共に歩んでいきたいと思います。
130周年に向けて、ハード面とソフト面の両面において、生徒たちが安全で学びやすい環境を整えていきたいと考えております。同窓生の皆様のこれまで以上のお支えをよろしくお願い申し上げます。

高3修養会に寄せて

テーマ「 それぞれの道~keep trying~」によせて   2018.4.12-13
校長 三井 貴子
 
皆さんが選んだ今回の修養会のテーマは「それぞれの道~keep trying~ 」です。このテーマには、「それぞれ進む道は違っても、諦めないで挑戦し続けることが大切である」という皆さんの想いが込められていると伺いました。
 私たちは、毎日当たり前のように生きていますが、それぞれ違った悩みがあります。「生きるという事」「自分という存在について」「自分は何をしたいのだろうか」「勉強の意味」「将来の可能性」など考えれば考えるほどモヤモヤした気持ちになったりします。特に高校3年生という年は、自分の将来の生き方と正面から向き合った時、自分自身の無力さに打ちひしがれ、理想と現実のギャップに押しつぶされそうになる経験をする一年になるかもしれません。時に「もう立ち上がれない」と気力を消失してしまうこともあるかもしれません。そのことを想定して、皆さんは決意と共にこのテーマを選んだのだと確信しています。「それぞれの道~keep trying~」どんなことがあっても諦めないで挑戦し続ける!決意で逆境に立ち向かおうとする皆さんと共に歩みたいと思います。
聖書には「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである。(ヨハネ:3章16,17節)」と書いてあります。神さまは、常にあなた方と共にいてくださいます。
講師にキスト・岡崎・さゆ里先生とキスト・岡崎・エイブラハム先生をお迎えしてお話をうかがいます。心を開いて先生方を通して語られる神様の言葉に耳を傾けましょう。今までと違うものが見えてくるかもしれません。
この修養会は、仲間と赤裸々に語ることの出来る貴重な時間でもあります。真の友情を更に強いものとする時として用いられることを心から祈っています。
 

山梨英和高等学校入学式式辞

山梨英和高等学校入学式式辞         2018年4月5日
校長 三井 貴子

 みなさん、山梨英和高等学校へのご入学おめでとうございます。皆さんのご入学を心からお祝いし、歓迎いたします。山梨英和高等学校に、今年は102名の新入生を迎えることができ、本当にうれしく思います。義務教育を終え、勉学を続けることを望んで今ここにいる皆さんには、自己責任を伴う未来に繋がる高校生活が待っています。
 高等学校は義務教育とは違い、今まで以上に本人の学ぶ姿勢が問われます。今日は2人の人物から学びたいと思います。一人目は、スピードスケートの小平奈緒選手(長野県出身)です。今年開催された平昌五輪で日本女子スピードスケート初の金メダルを獲得しました。先日『「遠回り」の金メダル』というインタビュー記事が新聞に掲載されていました。その中で小平選手は次のように述べています。まず31歳という年齢について「一般的には遅咲きと言われるかもしれないけれど、世間一般の時間軸に縛られてしまうと、自分らしくなくて、自分の人生を生きている感じがしないかな。」と言っています。
 また、三度目のオリンピックは今までと何が違ったのかという質問に対して「みんなに認められたいと思って、だれもが生きています。私もそうでした。だからソチ五輪の時は結果が出なかったらみんなが離れていく気がして。結果を出したいという欲がすごく出てしまっていた。でも平昌はたとえ負けても身近なだれかが必ず見ていてくれると思えて。欲が消えると人の喜びを自分の事のように素直に受け止められるようになり、人の頑張りを見ても、自分も頑張ろうと変換できるようになった。」と振り返っています。強い欲が消えて,不安や重圧なく,まさに無の境地でレースに臨めた結果が実を結んだそうです。最後に、インド独立の父ガンジーの言葉「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ」を挙げ「この言葉で自分の中に種をまかれたようで、自力で解釈し行動に移して、その種を成長させることにも楽しみを感じています」と締めくくっています。
 もう一人は将棋の藤井聡太六段です。みなさんと同じ15歳,高校進学か,進学せずにプロの道を突き進むか悩んだ末に,高校進学を決意し,この春,高校に入学しました。14歳2ヶ月でプロ入りし,最年少記録を次々と塗り替え,2017年度には前人未踏の29連勝を成し遂げました。中学生最後の対局となった3月28日の王将戦予選で敗れた藤井六段は次のように述べました。「自分が思った以上の活躍ができたが,本局のように力が足りないところもあった。これまでの結果に関して評価をするのはまだ早い。今は実力をつける時期だと思っている。」15歳ながら,いつも冷静で前向きなコメントをしています。みなさんと同級生ですが,自分とは全く別世界の人だと思っていませんか?
 ゴールまで最短距離を突き進む藤井六段と,遠回りをしてゴールに到達した小平選手には共通点があるでしょうか?二人とも「努力の人」であることは間違いありません。「特別な能力を与えられた人」ではなく,「神様から頂いた能力を努力によって最大限活かした人」であります。私たちには想像もつかないような困難を乗り越え,他の人の何百倍もの努力に裏付けられた結果であると思います。
皆さんは,どのように高校生活を送ろうとしていますか?自らが明確な目標を設定し、主体的に取り組む事で皆さんの学びはどんどん深まり,夢の実現に近づいていきます。イヤイヤながら勉強させられるのと主体的に学ぶのとでは、結果は全く違うものになる事はすでに科学的にも明らかにされています。皆さんはどちらを選びますか?皆さんに与えられている山梨英和高校での生活は、3年間という限られた時間です。ただし,ゴールにたどり着く道筋は無数にあります。小平選手のように「遠回り」もあります。自分にあったやり方で歩んでいけば良いと思います。大切なのは,自分に与えられた能力を最大限活かして,深い学びを追求していって欲しいと切に願っています。
山梨英和の校訓は「敬神・愛人・自修」です。今、活かされていることを神様に感謝し、神様から与えられた能力を見いだすために主体的に学び、そして、その能力を他者のためにどのように活かすことができるのかを見い出すということです。
 皆さん一人ひとりはかけがえのない存在です。まずは他の人とは違う自分自身の存在を認め、感謝し、自分に何ができるのか考えてみてください。そして、それを行動に移す勇気を持ってください。たとえ失敗を繰り返しても、くじけそうになっても、神様が背後で支えていてくださいます。今だからこそ大いに失敗できるのです。
 今年、山梨英和は創立129年目を迎えます。皆さんの行動には、伝統を継承し新たな時代を築き上げていく山梨英和高校の生徒としての責任が伴います。規律を守り、山梨英和高校の生徒としての誇りを持ってかけがえのない一日一日を大切に過ごして欲しいと思います。
 最後に、今日読んだ聖書には、皆さんが選んだのではなく、「私があなたがたを選んだ」と書いてあります。聖書的に言うならば、皆さんは神様に選ばれて、山梨英和高等学校に入学したということになるのです。常に心の中に留めておいてください。
 保護者の皆様、お嬢様の山梨英和高等学校へのご入学、心からお喜び申し上げます。この3年間は、生徒たちが自分自身を見つめ、今後の人生を決定していく、極めて重要な時期です。生徒の自立を促しながら、時には暖かく、時には厳しく成長を支えていきたいと思います。生徒が安心して高校生活を送るためには、保護者と学校の信頼関係が強固なものでなくてはなりません。本校の教育方針へのご理解をお願いいたします。
 山梨英和高校での生活が、豊かで充実したものとなりますように、心から祈りつつ、式辞と致します。

山梨英和中学校入学式式辞

山梨英和中学校入学式式辞               2018年4月5日
校長 三井貴子

 新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。皆さんのご入学を心からお祝いし、歓迎いたします。
 今日から、山梨英和中学校での新しい生活が始まります。山梨英和中学校・高等学校での6年間は幅広い体験と深い学びができる環境が整っています。そして、この6年間の学びが、みなさんのこれからの人生に大きな影響を与える事は間違いありません。
皆さんは既に山梨英和の校訓を知っていると思います。何ですか、声に出して言ってみて下さい。そうです、正面右
側にも書いてあるとおり「敬神・愛人・自修」です。
 まず「敬神」。山梨英和中学校・高等学校は129年前にカナダのメソジスト教会婦人伝道会と数名のキリスト者青年実業家との協力により設立された県内唯一のキリスト教主義学校です。毎日の礼拝の中で、聖書を通して神を敬い、愛と奉仕の精神を学びます。「敬神」とは「神を敬うこと」です。「私たち一人ひとりは神様に生かされている存在」です。「私たちは自分の力だけで勝手に生きていくのではない、むしろ生かされているのだ」と、聖書は語っています。今日読んだ聖書には「あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ」と書いてあります。ここで言う「私」は神様の事です。そして「あなたがた」というのは私たちの事です。「いやいや、悩んだ末に、私が自分で決めました」あるいは「何年も前から決めていました」と言う人もいるかもしれません。でも、私たち一人ひとりの決断や選びの背後には、神様の深いご計画があり、私たちにとって最もふさわしい形でそれが実現していくというのです。つまり、皆さんが山梨英和中学校を受験して、合格し、入学することになったその背景には、実は神様の意思が働いていて、皆さんは神様に選ばれて、この学校に入学したということになるのです。今はとても不思議に感じるかもしれませんが、皆さんが6年後に山梨英和高校を卒業する時に、この聖書の言葉の意味を実感することになるはずです。
 次に「愛人」です。聖書には「隣人を自分のように愛しなさい」とあります。これは山梨英和の「学校聖句」です。「自分を大切にするように、相手も大切にしなさい」ということです。先日、あるお客様から、このようなお話がありました。校内で大きな荷物を持って歩いていると、通りかかった生徒の一人が「荷物をお持ちしましょうか?」と声をかけてくださったと、とても感謝しておられました。これこそ「愛人」の実践であり、私自身も幸せを分けて頂いた気がしました。そのような生徒が育っている事を神様に感謝いたします。山梨英和では、様々な行事で1つのものを作り上げていきます。その過程において、仲間と激しくぶつかり合ったりけんかをすることもあると思います。でも 違う意見や考えがあるのは当然ですし、物事が全て自分の思い通りに進むということはあり得ないことです。でも、その時に大切なのが「愛人」相手を尊重する気持ちが持てるかどうかです。これは、私たち大人にとっても難しいことであると思っています。
最後に「自修」です。「自らを修める」ということです。「私たち一人ひとりは神様から愛されているかけがえのない存在」です。私たちの生活が順調なときも、うまくいかない時にも、神様はどんな時にも、私たち一人ひとりを本当にかけがえのない、大切な存在として、支え、導いてくださいます。みなさんが山梨英和中学校で学べる事は当たり前のことではありません。先ほど申し上げましたように神様がみなさんを選んでくださったこと、そして、ご家族のご理解やご協力がなくては実現しません。最寄のバス停や駅までの送迎、毎日のお弁当などもそうです。皆さんは、いろんな方々に支えていただいて生きているのです。全てのことに感謝しましょう。中学生として自分でできることは自分でするよう心がけましょう。神様は、私たち一人ひとりに違った能力を与えてくださっています。それが何なのか、多くの人はまだ気づいていないと思います。山梨英和で学ぶ6年間で、神様からいただいた能力が何なのか、見つけていってください。山梨英和の豊かな教育により、皆さんは様々な失敗、発見、感動を経験し確実に成長していきます。それぞれの目標を設定し、自分に合ったやり方で、その目標に向かって努力していってください。皆さんには、希望に満ち溢れた未来があります。この「敬神・愛人・自修」を常に心に留めて、力強く山梨英和での生活を送っていただきたいと思っています。
 保護者の皆様、お嬢様の山梨英和中学校へのご入学、心からお喜び申し上げます。山梨英和中学校・高等学校は6カ年一貫教育の中で、揺らぐことのない教育理念の上に立った豊かな教育を実践していきます。どうか私どもを信頼していただき、長い目でお嬢様の成長を見守っていただきたいと思います。
 生徒のみなさんは不安もあるでしょうが、どうか安心していろいろなことに積極的に取り組んでください。「敬神・愛人・自修」を実践する英和生に一日も早くなっていただきたいと思います。山梨英和での生活が、神様から祝されたものとなりますように、心から祈りつつ式辞と致します。

JICA研修2017@マレーシア

JICA研修2017
 
 山梨英和中学校・高等学校は創立以来128年間、国際理解教育に力を注いできました。カナダでの海外語学研修や韓国への海外修学旅行なども、山梨県内では他校に先駆けて、いち早く導入し、現在に至っています。
 タイやラオスの学校に行けない子供たちへの支援を目的として、28年前からウォーカソンを実施し、学校代表2名が視察する取り組みを行ってきました。しかし、他の希望する生徒が参加できないという課題がありました。そこで、国際協力を全世界で実践しているJICA(国際協力機構)の全面的な協力のもと、2012年度から体験型海外研修をスタートさせ6年目となります。一般の観光旅行や個人旅行では体験できない特別なプログラムとなっています。JICAによる事前研修や研修後のまとめも行い、生徒たちが目的意識を持って参加できる様、考えられています。初年度はマレーシア、2年目はスリランカ、3年目はカンボジア、4年目はモンゴル、5年目はベトナムでの研修を実施し、生徒たちが豊かな体験をしました。嬉しい事に、第1回目から全て参加した生徒もおり、グローバル社会を生きていく中での大きな指針となっています。今年度はマレーシア研修に決定しました。今後もJICAのネットワークのある国で、毎年研修が実施できればと願っています。
本校の校訓である「敬神・愛人・自修」を実践するためには、机上の学習にとどまらず、いろんな体験をすることが必要です。豊かな研修となることを祈っています。

山梨英和中学校・高等学校 校長  三井 貴子