8月2014

放送礼拝 山田先生

2014.8.28放送礼拝
山田博久

コリントの信徒への手紙 二 第4章18節 (見えないものに目を注ぐ) 新約聖書p330
「村岡花子の生涯を見つめて」

私たちが夏休みを迎える少し前に、「花子とアン」の原案『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』の著者・村岡恵理さんが、本校で講演会をしてくださいました。7月16日のことでした。皆さんの中には、夏休み中に、日頃は見られない「花子とアン」のドラマを見ていたという人も多いのではないでしょうか。

NHKの連続テレビ小説「花子とアン」の放送が決まって以来、図書委員会と文芸部の「村岡花子展」の取り組みや岡島デパートでの「赤毛のアン」の展覧会や県立文学館での「村岡花子展」、チャペルで行われた「赤毛のアンシンポジウム」、または東京での展覧会などで、村岡恵理さんとお目にかかる機会が何度かありました。恵理さんのお姉さんである英文学者の村岡美枝さんともお会いすることも何度かありました。

そうした中で、私自身も勉強のため『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』を読ませていただきました。この夏休みにもう一度読んでみようと思い、ふと気づいたことがありました。村岡花子さんのご家族で、お祖母さまである花子さんとの直接の記憶がないのは、恵理さんだけだとあらためて気づいたのでした。お母様であるみどりさんは、親子ですからもちろん、お姉さんの美枝さんも、小さいながらも、お祖母さまに本を読んでもらったり一緒に遊んだ記憶があるとお聞きました。

村岡花子さんは、恵理さんが生まれたばかりの時に病気で亡くなってしまいました。恵理さんと花子さんとの思い出は、赤ちゃんの時に写した写真と花子さんが書いたエッセイでした。

『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』よると、東京での仕事が一段落した花子は、大阪に住む娘みどりさん一家を十日間ほど訪ねました。目的は、孫の顔を見るためでした。ある日、生まれたばかりの孫の恵理ちゃんが眠っているうちにと、みどりさんが買い物に出かけ、花子さんが子守りをすることになりました。しばらくすると、おとなしく眠ってご機嫌だった恵理ちゃんが突然大声で泣き始めました。どんなになだめあやしても泣き止まない恵理、そのうちさすがに疲れたと見えて、また布団の上でうとうと眠り始めました。寝顔を眺めて、花子は考えました。「この子を置いて母親がどこかへ行くなんて、もってのほかだ」実は花子は、数週間のカナダ旅行を計画しはじめ、秘書としてみどりさんをつれていこうと思っていたのでした。

その日その時そのプランをふっつり思い捨てた。こんな可愛い、いたいけなこどもをどうして母親から離すことができようか。わたしの外国旅行などは鬼にくわれてしまえ、絶対に子どもは母親から離すべきではないと固く決心した。ちょうどそこへ「まあ、おまちどおさま」と、息せき切ってみどりが帰って来た。「もう大丈夫よ、恵理」今はすやすやと眠っている孫に花子はそっとささやいた。
(『改訂版 生きるということ』より「大阪の休日」A)

楽しみだった自分のカナダ旅行よりも、孫をいとおしむ、愛情深い祖母のエッセイに恵理さんは心を打たれます。このエッセイを子どもの時から何度も何度も読み返したと言います。そして、エッセイの中の祖母の姿から村岡花子の生涯を探し、『アンのゆりかご』を書き上げる情熱が生まれたのだと思います。

夏休み、皆さんはやり残したことはありませんか。中学1年生は、春から習い始めた英語のリピーターを毎日聞こうと思っていたのに挫折してしまった。中2は、自由研究をもっと深めたかったのにとか、中3なら、中学最後の夏休みにチャレンジしたかったこともあったでしょう。高校生は、夏休み前に買った問題集が進んでいないとか、高3は「自分史上最高の勝負の夏」が終わってしまった悔しさが心の中にあるかもしれませんね。

今日の聖書には「私たちは見えないものに目を注ぐ」とあります。「見えないものは永遠に続く」のです。手に入ったもの以上に、手に入らなかったものに心を注ぎましょう。

もしも皆さんの心に、この夏できなかったこと、やり残したことへの思いがあるならば、どうかそれをエネルギーにしてください。家族で一人だけ、花子さんとの記憶を持たない恵理さんだからこそ「村岡花子の生涯」を書き上げるエネルギーを持ち続けられたように。

昨日から後期がスタートしました。私たちも、目に見えないものを求めつつ毎日を過ごしましょう!

お祈り
天にいらっしゃる神様。礼拝の恵みに感謝します。時に私たちは、やり残してしまったことを悔やみ、できなかったことに自己嫌悪さえ抱きます。しかし、見えるもの以上に、見えないものや手に入らないものを求めるとき、そこに大きな恵みがあることを信じます。どうか私たちが目に見えない神様の御心を求め続けられるように導いてください。この祈りを、愛する英和生一人ひとりの祈りに合わせ、尊き主イエス・キリストのお名前によってお捧げします。
アーメン。

「2014南関東インターハイ」 私たちも補助員として参加しました!!

今年度は、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)が千葉県、東京都、神奈川県、山梨県の4県で共同開催されました。山梨県では陸上、卓球、男子サッカー、ボート、自転車、ホッケー、ウェイトリフティング、カヌーの8競技が行われ、1万1千人の選手とスタッフ、応援の方々が来県されました。
私たち英和生も甲府駅前に設置された総合案内所、卓球競技の開場となった小瀬スポーツ公園体育館・武道館でのドリンクサービスコーナーにて、補助員としてインターハイに参加させて頂きました。地道な練習を積み、厳しい予選会を勝ち上がって全国各地から集まった同じ高校生たちの姿に沢山の刺激を受けた夏になりました。