校長通信

高等学校入学式式辞

山梨英和高等学校入学式式辞  2016年4月7日

校長 三井 貴子

みなさん、山梨英和高等学校へのご入学おめでとうございます。皆さんのご入学を心からお祝いし、歓迎いたします。山梨英和高等学校に、今年は99名の新入生を迎えることができ、本当にうれしく思います。高校からも多くの新しい仲間が加わり、フレッシュな環境で高校生活がスタートしようとしています。義務教育を終え、勉学を続けることを望んで今ここにいる皆さんには、自己責任を伴う未来に繋がる高校生活が待っています。

皆さんは、何のために勉強しますか?希望の大学に合格するためですか?ある特定の科目に興味を持っているからですか?将来役に立つと信じているからですか?答えは人それぞれでしょう。高校時代の私に問いかけられていたとしたら「将来の夢を実現するため」と答えていたことでしょう。今考えると苦笑してしまいます。皆さんもご存知の物理学者であるアインシュタインは、次のように述べています。「教育とは学校で習ったすべてのことを忘れてしまった後に、自分の中に残るものをいう。そしてその力を社会が直面する諸問題の解決に役立たせるべく、自ら考え行動できる人間をつくることである。」私自身、このことを実感するに至るまでに随分時間がかかりました。皆さんには、高校入学の今、このことを知っていただきたいのです。

では、山梨英和高校でこのような学びができるのでしょうか?答えは ”Yes” です。ただし皆さん次第です。みなさんもご存知のように、山梨英和は2012年6月にユネスコスクールに認定されました。また、2013年4月文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されています。ユネスコスクールはESDの理念の下、教育が行われていますが、ESDとはEducation for Sustainable Developmentで「持続可能な社会づくりの担い手を育成するための教育」です。また、SSHでは科学的思考力、判断力および表現力を培い、将来国際的に活躍しうる生徒の育成を目的としています。その中で、問題発見力、問題解決力を養っていきます。ユネスコスクールとSSHの基本理念を土台として山梨英和独自のカリキュラムによって、豊かな教育実践が可能になっています。学校設定科目として1,2,3組はGlobal Studiesを4組はSSH科目を履修します。いずれも論理的思考力を養い、課題研究を通して様々な角度から学問を掘り下げていきます。この4月からクラスの名称も新たに、1,2,3組はGlobal Studiesクラス、4組はSuper Scienceクラスとなります。

皆さんも既にご存知のように、2020年度から大学センター入試が大きく変わります。しかし、それに先立ち、私立大学の入試問題は教科横断型の考えて答えを導く形式へと既に移行し始めています。つまり、単なる表面的な知識だけでは意味をなさないという事です。情報や知識を使って考え,問題を解決する力がこれからグローバル社会を生き抜く皆さんには必要なのです。山梨英和には、これらの学習環境・ICT環境が整っていますので、あとは皆さんが意欲的に取り組むのみです。ただし、皆さんに与えられているのは、3年間という限られた時間です。臆することなくいろんなことに積極的に挑戦してください。

山梨英和の校訓は「敬神・愛人・自修」です。今、活かされていることを神様に感謝し、神様から与えられた能力を見いだすために主体的に学び、そして、その能力を他者のためにどのように活かすことができるのかを見い出すということです。

皆さん一人ひとりは神さまから愛されているかけがえのない存在です。まずは他の人とは違う自分自身の存在を認め、感謝し、自分に何ができるのか考えてみてください。そして、それを行動に移す勇気を持ってください。本日の入学のお祝いとして、アインシュタインの言葉を皆さんに贈ります。「教育とは学校で習ったすべてのことを忘れてしまった後に、自分の中に残るものをいう。そしてその力を社会が直面する諸問題の解決に役立たせるべく、自ら考え行動できる人間をつくることである。」

たとえ失敗を繰り返しても、くじけそうになっても、前に向かおうと努力する皆さんを、山梨英和高校は全面的にバックアップします。

今年、山梨英和は創立127年目を迎えます。皆さんの行動には、伝統を継承し新たな時代を築き上げて行く山梨英和高校の生徒としての責任が伴います。規律を守り、山梨英和高校の生徒としての誇りを持ってかけがえのない一日一日を大切に過ごして欲しいと思います。

最後に、今日読んだ聖書には、皆さんが選んだのではなく、「私があなたがたを選んだ」と書いてあります。聖書的に言うならば、皆さんは神様に選ばれて、山梨英和高等学校に入学したということになるのです。常に心の中に留めておいてください。

保護者の皆様、お嬢様の山梨英和高等学校へのご入学、心よりお喜び申し上げます。この3年間は、生徒たちが自分自身を見つめ、今後の人生を決定していく、極めて重要な時期です。生徒の自立を促しながら、時には暖かく、時には厳しく成長を支えていきたいと思います。生徒が安心して高校生活を送るためには、保護者と学校の信頼関係が強固なものでなくてはなりません。本校の教育方針へのご理解をお願いいたします。

生徒の皆さん、高校生活は本当にあっという間で短く感じます。その時間の流れに精一杯逆らって、何事にも積極的にチャレンジしてください。そして、真に「学ぶ」ということを追求していってください。

山梨英和高校での生活が、豊かで充実したものとなりますように、心から祈りつつ、式辞と致します。

中学校入学式式辞

山梨英和中学校入学式式辞 2016年4月7日

校長 三井貴子

新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。皆さんのご入学を心からお祝いし、歓迎いたします。今日から、山梨英和中学校での新しい生活が始まりました。

皆さんは、将来どのような職業につきたいと思っていますか?この4月に新小学1年生になった子どもたちは、男子がスポーツ選手、女子はパン屋さん・ケーキ屋さんが第1位でした。実は、私の小学校の卒業文集に「私は将来小さなパン屋さんを開きたい」と書いてあります。こんなに長い間、子どもの職業観が変わっていないのだと驚きました。しかし、時代は大きく変わり、2030年には今存在しない職業が多く生まれるだろうと言われています。まさに皆さんが社会人として活躍し始める頃です。「未来の仕事図鑑」には多くの新たな職業が紹介されていますが、その中から2つ紹介します。1つ目は「学習スタイリスト」です。『学校で習った学習内容の理解度は人それぞれ。小型ロボットを用いてその理解度を分析し、一人ひとりの学力アップに必要な教科・単元別の問題を出してくれるのがこの「学習スタイリスト」。答えを教えてくれるというよりは、つまづいているところを説明して自分で答えを導けるようアドバイスしてくれる。』これについては不完全ではありますがコンピュータ化によってスタートしています。山梨英和高等学校では、模擬試験の結果によって理解度を分析し、個別に問題が出題されるシステムを既に導入し、生徒たちは弱点を強化するために活用しています。2つ目の職業は「ホスピタルデリバリー」です。『患者が病院に行かなくても、医者がバーチャル上で診察してくれるようになる。それにより寝たきりの人でも楽に一流の診察が受けられるのだが、病院に行かなくても治療を受ける事を可能にしているのがこの「ホスピタルデリバリー」。医学的知識や技術を身につけており、実際に現場に出かけて医者のバーチャル診断にあわせて治療を行う。常に小型・全自動の医療ロボットと一緒に行動している。』この職業があれば多くの人が救われるのではないかと、個人的には一刻も早い実現を期待しています。

さて、皆さんは2030年、26歳になった自分を創造できますか? 今は存在しない新しい職業に着いているでしょうか?しかし、私たちが見失ってはいけないものがあります。それは、どんなに科学や技術が発達しても、私たちが生きていくうえで大切なのは「心」です。その「心の教育」を山梨英和は127年間最も大切にしています。山梨英和の校訓は『敬神・愛人・自修』です。

まず「敬神」。「私たち一人ひとりは神様に生かされている存在」だということです。「私たちは自分の意思で生まれてきて、自分の力だけで勝手に生きていくのではない、むしろ生かされているのだ」と、聖書は私たちに語りかけてくれます。今日読んだ聖書には「私があなたがたを選んだ」と書いてあります。つまり、私たち一人ひとりの決断や選びの背後には、神様の深いご計画があり、私たちにとって最もふさわしい形でそれが実現していくというのです。もしそうであるならば、皆さんが山梨英和中学校を受験して、合格し、入学することになったその背景には、実は神様の意思が働いていて、皆さんは神様に選ばれて、この学校に入学したということになるのです。今はとても不思議に感じるかもしれませんが、皆さんが6年後に山梨英和高校を卒業する時に、この聖書の言葉の意味を実感することになるはずです。

次に「愛人」です。「周囲の人々に対して、敬意を持って接する気持ちを大切にしていただきたい」ということです。具体的には、「きちんと挨拶をする」とか「時や場所をわきまえて、自分の行動にけじめをつける」ということです。きちんと挨拶するということは、相手の存在を認めるという行為です。また、誰かが話をしている時には、きちんと聞く。そして、自分の意見を求められたり、質問などがある時には、遠慮せずにはっきりそれを表明する。これは、集団生活の、そして社会生活の基本であり、難しい勉強ができることよりも、もっと大事なことです。

最後に「自修」です。「私たち一人ひとりは神様から愛されているかけがえのない存在」だということです。私たちの生活が順調なときも、うまくいかない時にも、神様はどんな時にも、私たち一人ひとりを本当にかけがえのない、大切な存在として、支え、導いてくださるということです。みなさんは、友達との比較において、自分の存在を低く思ったことはありませんか?神様は、私たち一人ひとりに違った能力を与えてくださっています。それが何なのか、多くの人はまだ気づいていないと思います。山梨英和で学ぶ6年間で、神様からいただいた能力が何なのか、見つけていってください。これからは、他人との比較ではなく、自分の中に目標を設定して、自分に合ったやり方で、その目標に向かって努力するよう心がけてください。皆さんには、希望に満ち溢れた未来があります。この「敬神・愛人・自修」を常に心に留めて、力強く山梨英和での生活を送っていただきたいと思っています。

保護者の皆様、お嬢様の山梨英和中学校へのご入学、心よりお喜び申し上げます。山梨英和中学校・高等学校は6カ年一貫教育の中で、揺らぐことのない教育理念の上に立った教育を実践していきます。どうか私どもを信頼していただき、長い目でお嬢様の成長を見守っていただきたいと思います。

新入生のみなさんは不安もあるでしょうが、どうか安心していろいろなことに積極的に取り組んでください。「敬神・愛人・自修」を実践する英和生に一日も早くなっていただきたいと思います。山梨英和での生活が、豊かで充実したものとなりますように、心から祈りつつ式辞と致します。