生徒,礼拝のひとコマ

4月2018

放送礼拝 高校生徒会

詩編133編1~3節

みなさんは千々石ミゲルという方の名前を聞いたことがあるでしょうか。キリスト教について学んだり、日本への宣教を依頼するためにローマに派遣された天正遣欧少年使節の4人の少年のうちの1人です。ミゲルは熱心なカトリックのキリスト教信者でした。長年信仰し、日本に帰国後は布教活動を行なっていました。

しかし後にイエズス会を脱退し、キリスト教の信仰も捨ててしまいます。それには諸説ありますが、一つの説はキリスト教徒による仏教徒への迫害が理由だったのではないかというものです。私はミゲルが信じていたものを投げ出すほど衝撃的な出来事があったのではないかと想像しました。そして信仰を持つ人たちが、他宗教の人たちを迫害したことに少なからずショックを受けました。彼らは信仰を疎かにしていたわけではありません。聖書の教えに基づいて生活し、自ら人を傷つけることなどしない生き方を心がけていたと思います。おそらくこの人たちは、自分と考え方が異なる人たちへの寛容さが欠けていたのだと思います。

創世記に記されているように、神様は「良い」存在としてわたしたち人間をおつくりになりました。けれども人間は罪のために他者を傷つけてしまい、他者を認めることができなくなってしまっています。そういう罪から救い出されて、もともとの神様に造られた良い者として、互いに尊敬を持って接することが本来の人間のあり方なのだと思います。けれどもミゲルはその罪につまずいてしまいました。本来なら罪に気づき、それを指摘し、和解の道を伝えることができたのではないかと思います。

私は生徒会役員として活動する中で、1人で抱え込み、悩んでしまうことがよくあります。仲間に頼りたくはない、一人で全部行わなければという思いが無意識のうちにありました。ミゲルがつまずいてしまった人たちの姿と同じように、寛容な思いを忘れそうになることもありました。しかし、振り返ってみるとたくさんの方に支えられていることを実感する出来事が多くあることに気づきました。先日の学園祭に向けての会議の際に、クラスメイトがもっと私に協力したいという理由で係りのリーダーを快く受け入れてくれました。また、放課後には生徒会室で私たちと一緒に仕事を手伝ってくれたりする仲間もいます。忙しい中、的確なアドバイスをしてくださったり、毎日のように頑張れと声をかけてくださる先生方もいます。私は知らぬ間にたくさんの良い仲間や先生方に支えられていました。仲間の「もっと頼ってよ」という言葉を聞くたびに自分がどれほど恵まれているのかを実感する毎日です。一人では成し得ないことがたくさんあるのだと気づくことができました。

中学1年生の頃から生徒会に携わってきましたが、この経験の中で得た一番大きなものは仲間だと思います。多くの方と関わっていく中で培われたお互いの友情や信頼は他の何かに代えることはできません。私たちは神様のような完璧な存在にはなれないので、嫌なことがあった時、やけくそになりそうな時がありますが、それでもそばに仲間がいてくれるだけで誰かを傷つけてしまうことがなくなるかもしれません。気持ちを共有するだけですっきりしてまた励むことができるかもしれません。

英和で生活していく中でみなさんは必ず「出会えてよかった」と心から思える仲間にたくさん出会うと思います。そんな仲間たちと過ごす時間を大切にしてください。仲間と過ごす何気ない時間が一生の宝物になっていくと思います。年間行事の中でも一大イベントである学園祭が近づいています。学園祭に向けて全校で協力しなければならない場面がこれからどんどんでてきます。仲間を思い、辛い時には助け合って最高の学園祭を作り上げていきましょう。

放送礼拝 マンドリン部

コヘレトの言葉4章9~12節

誰にでも心に残る桜の風景があります。

先日、第51回マンドリン部定期演奏会を行いました。今年度のテーマは「桜」でした。桜は不思議な花です。見る人によって様々な色に映ります。美しく、強く、儚く、潔く……。音もそれとよく似ています。指導する先生、演奏する生徒、聞いてくれる方々により全く別の音になります。また、楽しい時に見る花、聞く音、辛い時に見る花、聞く音……。その時の感情や環境に揺れ動くという共通点もあります。春の訪れにマンドリンの音色をのせて、それぞれの懐かしい記憶に触れて頂けたらと思い、心を込めて演奏しました。

高校3年生にとっては最後の定期演奏会でした。高3の部員2人で演奏した曲はテーマに合わせた森山直太朗作詞作曲の「さくら」でした。みなさんはこの歌に隠された意味があるということを知っていますか? 卒業、恩師からのメッセージ、友との別れというイメージが強い曲ですが実は特攻隊員とそれを見送る友との情景という説があります。確かに歌詞には深いフレーズがたくさんあります。

いつか生まれ変わる瞬間を信じ
さくら ただ舞い落ちる
刹那に散りゆく運命と知って
僕らを急かすように今、惜別の時……

さくら=特攻隊員と置き換えて歌詞を刻むと、なんとも言えないせつない感情が込み上げてきます。ただ、森山直太朗さんが戦地へ旅立つ友をイメージしてこの曲を作ったかは明らかにされていません。しかし、確かに特攻隊の時代はありました。友の未来を願う本当の言葉は言えないまま、さくらになぞらえるしかなかった情景が見えてきます。

歌詞をどう受け取り、イメージするかは聞き手に委ねられ、解釈は自由です。この曲に限らずもともと知っている音楽を別の角度で見つめ直して見ると、全く違う光景が見えてくるということに驚かされます。全ての物事には色々な考え方があっていいと思います。自分がどんな選択をするのか、他者が何を選択するのかも自由です。選ぶ自由がある中で、その自由に感謝しながら、それぞれの願いを持ち、その実現に向けて精一杯努力していけば良いのではないでしょうか。

英和に入学してから6年間続けてきたマンドリン部の活動も残りわずかとなりました。時間的、体力的、精神的に余裕の無い時もありましたが、なんとか続けられたのはサポートしてくれた顧問の先生や先輩たち、そして今いる仲間たちのおかげです。色々な曲と出会い、たくさん感動もしました。マンドリン部を通して私は一番大切なものが与えられました。隣を向けばお互い切磋琢磨して、より良い刺激がもらえる友がいます。私は、そんな関係を築ける幸せを大切にしたいと思います。あの場所は私の一生の心の支えです。来年の桜は、私たち一人一人にとって何色に見えるでしょうか。何色に映るにせよ、桜の花を誰かと一緒に美しいと感じられこと、語り合える友がいる幸せ、今与えられているときや場所を大切にしながら前に進んでいきたいと思います。

放送礼拝 放送部

コヘレトの言葉11章9~10節

みなさんは陣内大蔵さんという方を知っていますか。英和で歌い継がれている学生歌、「この坂道を登った先に私の好きな笑顔が見える」から始まる「EIWAY」の作曲を担当して下さったのが陣内先生です。昔はシンガーソングライターとして活躍し、今では東京の東美教会で牧師先生として活動しています。

私は6月のコンテストに向けて「EIWAY」についてアナウンス原稿を作るために春休み中に陣内先生がいらっしゃる東京の教会に取材に行き、お話を伺ってきました。そもそも「EIWAY」は2010年度の学園祭の全校制作の作品として作られました。英和と陣内先生の関わりはその2年前の全校修養会で講師として英和に来てくださったのが始まりでした。学園祭で英和の学生歌を作ると決まったとき、当時の生徒会が「英和の曲を作るなら、英和のことをよく知ってくれている方にお願いしたい」ということで英和生から大好評だった陣内先生にお願いすることになりました。

「EIWAY」の歌詞は全校生徒から「英和の生活の中で感じたこと」をテーマで募集をしました。英和生からは「グリンバンクチャペル」「セーラー服」「神様」「夢」「絆」「かけがえのない日々」などたくさんの歌詞が集まりました。1番の歌詞は日常の生活、2番は感謝の気持ち、3番は巣立っていく人たちへの応援というテーマをもとに歌詞を組み合わせていきました。陣内先生はその英和らしい歌詞をバランスよくいい曲になるように時間をかけてまとめ上げて下さいました。当時の生徒会役員と陣内先生がたくさんのやりとりを経てついに完成した時は、「やっとできた!」という嬉しい思いだったそうです。

学園祭2日目に陣内先生より、「EIWAY」の発表が行われました。はじめは驚いていた生徒たちも次第に先生のピアノ伴奏に合わせて歌い出し、体育館中の全ての人が笑顔になりました。8年間歌い継がれる今では暖かいメロディーや歌詞を口ずさんだり、卒業式で思わず泣いてしまう先輩方もいます。

「EIWAY」はこの先も英和と共に成長し、英和生の心に寄り添う友のような存在になっていくと思います。陣内先生から「学生時代の友達は変わらず付き合っていける関係。一生その関係性が続いていけたら本当に愛おしい。みなさんは山梨英和というすてきな環境で育っているので素晴らしい人生にしてください」とメッセージをいただきました。

歌詞の最後にある「Go your own way この一瞬を忘れない」という歌詞には、英和を卒業するときに「自分にしか歩めない道」を信じて歩んでいってほしいという願いが込められています。今日の聖書の箇所には、「若者よ、お前の若さを喜ぶがよい。青年時代を楽しく過ごせ。心にかなう道を目に映るところに従って行け」と書かれています。自分の将来を真剣に考えたり、今だからこそ思いっきり何かに挑戦出来る、そんな時を今私たちは生きています。

私たちが卒業するときにこの曲を歌って、そばにいてくれた友達や先生、導いてくれた神様に感謝できるように、英和で過ごす「かけがえのない日々」の生活を大切にしていきたいと思います。

お祈りします。
神様今日も放送を通して礼拝から1日を始められることに感謝いたします。
今日は英和で過ごす一瞬一瞬を大切にすることをお話ししました。
どうかみなが自分らしい道をこれからも歩んで行くことができるように、あなたが支え導いてく
ださい。
この祈りを尊き主イエスキリストの御名によって御前にお捧げ致します。アーメン。