放送礼拝 加藤先生

2018年1月15日(月)放送礼拝

聖書 イザヤ書40章6節~8節  
讃美歌475番

 今年は平成が30年の節目を迎え、また、来年は元号が変わるということで、新年の新聞紙面は平成の30年間を振り返る記事が多かったように思えます。
1月8日の新聞に「自己啓発」に関する書籍が約30年間で3倍に拡大したという記事がありました。自己啓発とは簡単に言うと、自分自身の能力を向上させることで、
自己啓発本とは、「より良い自分の在り方や生き方を説いている」本を指します。 
記事によると、自己啓発本の売り上げは平成の間に急増し、平成元年(1989年)にはトップ30に1冊もなかったのが、近年はランキングの3割を占め、年間1位の本もありました。出版市場自体は縮小し続ける中で、存在感を増しています。

 新聞にはベストセラーとなった自己啓発本の一覧が掲載されていました。印象深いものとしては、96年「脳内革命」、2000年「話を聞かない男、地図が読めない女」2007年「鈍感力」。近年は12年「人生がときめく片付けの魔法」これは、断捨離ブームの時でしょうか。13年、渡辺和子さんの「置かれた場所で咲きなさい」。14年は「人生はニャンとかなる」、猫ブームが影響したタイトルですね。15年は「フランス人は10着しか服を持たない」16年「嫌われる勇気」です。皆さんはまだ十代ですが、読んだり手に取ったりした本はありましたか。

 自己啓発本が求められる背景として、「社会が急速に変化し、未来は見通せなくなっている。自分を高めることで乗り切ろうという考えが広がっているのではないか」と新聞に書いてありました。確かにこの平成を振り返ると、平成7年のオウム真理教の地下鉄サリン事件。阪神淡路大震災や東日本大震災、豪雨や大雪などの未曾有の自然災害がありました。加えて、急速なIT革命に世界情勢の不安など、今までの価値観や考えが通用しない世の中に感じます。それに立ち向かうには、何とかして自分を高めて対応しようということです。
 
 様々な自己啓発本が発刊され、その時は勇気を与え、道を示してくれるでしょうが、永遠に読み継がれていくものなのかと先生は疑問に思いました。新聞に掲載された本の一覧を見て再び読んでみたいものや、何回か読み直している本は少なかったです。その時代にはブームでも、変化していく世の中では通用しなくなることも多々あります。

 さて、聖書はどうでしょうか。今朝のイザヤ書の言葉をもう一度見て下さい。
ここでは人と神の言葉が比較対照されています。人は「草」や「花」に喩えられ、それが一時どんなに美しく咲いても、その栄光ははかないものです。しかし、神の言葉は草や花のようでなく、永遠にすたれることはありません。8節の「立つ」は口語訳の聖書では「変わることはない」とも訳されています。
 
 

 この言葉が生まれた背景ですが、時は、紀元前6世紀、南ユダ王国はバビロニア帝国に敗れ、都エルサレムは壊滅し神殿は略奪され廃虚と化しました。歴史的には「バビロン捕囚」といって、ユダヤの人々は敵国バビロニアの囚われ人となったのです。彼らこそ「草は枯れ、花はしぼむ」という体験をした人々でした。歴史上の変化や消滅は「主の風」による裁きであって、人間ははかないものです。しかし、一方で「わたしたちの神の言葉はとこしえに立つ」と聖書には書かれています。まさに、このような先の見えない不安な世の中のためにこそ、聖書があるのではないでしょうか。 

 世の中はあわただしく移り変わります。先にも言いましたが、今までの価値観や常識が覆されることがあります。確かなものを人は求めますが、むなしく失望することが少なくありません。そんな時、神様の変わらない言葉の確かさを痛感します。若いときに私を励まし支えてくれた聖書の言葉が、今も力になっています。神の言葉が心にあるということは、心にしっかりとした基礎を築くことができるのです。

時代や民族、国家をこえて読み継がれている聖書。私達は毎日、朝と終礼で聖書の言葉に触れお祈りをしています。また、昨年の修養会、ルターの宗教改革500周年でラテン語で書かれ教会でしか読むことができなかった聖書が、人々に読まれるようになった経緯を学びました。新しい年、新たな気持ちで聖書を読み、とこしえに変わることない神様の言葉を心に蓄えていきましょう。変わりゆく世の中において、神様の言葉が私達を励まし導き支えて下さることを祈り期待していきたいものです。

お祈りします。
 草は枯れ花はしぼむが、わたしたちの神の言葉はとこしえに立つ。
愛する天の神様。あなたの御名を賛美します。
今朝も礼拝から一日を始める恵を与えて下さり、感謝します。世の中はめまぐるしく変化し、かつての価値観や常識が通用しないと感じることがあります。私達は何を期待し心の支えにしてよいのか、戸惑い悩みます。そのような時に神様、あなたの言葉が聖書にあり永遠に変わることのない真理であることを覚えます。
聖書のみことばを支えにして生きる人生を送ることができるようお導き下さい。
新しい年が始まり早くも二週間が経ちました。受験生は健康が守られ志望校に合格できますことを。また、それぞれの学年が次のステップに向けて、実りある後期3の学期となりますように。このお祈りをイエス様の御名を通してお祈りします。アーメン。