放送礼拝 自然科学部

創世記1章31節

今日の聖書の箇所である創世記の1章31節には、「神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。」とあります。神様が、極めて良いという世界はどのような世界なのでしょうか? 私たちが生きている地球を見渡してみると、地球には多種多様な生物が共に同じ時を生きています。しかし、自然界における支配力が強い生物順をピラミッド図で表してみると、三角形の頂点が人間になります。つまり、人間はすべての生き物たちの中で、最も支 配力があり、私たちが生きているこの世界を思うがままに変えることが出来てしまう立場にいる ということです。人間は、すべての生き物が共存し合い、神様が与えてくださった恵みに感謝しながら生きる世界を作ることもでき、人間以外の動物や植物などの生物を都合の良いように支配する世界も作ることができてしまうのです。

私たちが生きている世界は大きく分けると自然環境と生物で構成されていて、自然環境の中に生 物が生きているとも言い換えることができます。このことから、人間が生きている空間である自 然環境は人間と密接的な関係があり、支配力を持つ人間の自然に対する考え方一つでこの世界が どのような状態の空間になるのか決まってしまうということではないかと思います。私たち人間は自然に対する考え方が一人一人違いますが、自然環境倫理に基づいて自然観を分けると、大きく二つの定義に分類することができます。

一つ目の定義は「自然中心主義」といって、人間とその他の自然は自然環境の中で共生しており、 人間は自然を改変する際に節度を持たなければならないという考え方。2つ目の定義は、自然環境は人間によって利用されるために存在するという「人間中心主義」です。私たちが生きている世界は、どちらの状態になっていると思いますか? 私は、二つ目の定義である、「人間中心主義」になっていると思います。しかし、神様は、すべての生き物がお互いに生きる糧を出し合い、共存し合える世界を創造されたのではと思うのです。自然は、私たち人間に美しい景色や心を癒す効果などの多くの恵みを与えてくれます。人間を含む生き物たちもまた、生きるために自然の恵みをもらうことで、自然環境を一定の空間に保ち、生物が共存できる環境を作るのが本来の姿です。

このように、自然と人間が協調し合える世界が理想的ですが、近年、自然開発や科学の進歩によって、人間による自然破壊が大きな問題になっています。人間中心主義に当てはまることを、人間は自らが持つ支配力を使って行っているのです。 例えば、大気汚染や土壌汚染、水質汚染によって、生き物たちが生活していた場所が汚染され、生存できなくなってしまったり、土地開発や資源の確保のために木が伐採されて森林が無くなり、生き物たちの居場所がなくなったりと、世界のあらゆる所で生態系が破壊されています。現在も、様々な開発は続いており、自然破壊や生態系破壊も深刻化しています。 人間が住みやすい環境を追求していった結果、自然を破壊することになってしまったのです。そして、その影響は私たち人間を含めたすべての生物に及んでしまいます。自然から受ける恩恵に反して人間は自然に危害を加え続けているのです。

では、私たちはこの破壊を食い止めるために何が出来るのでしょうか? 創世記2章15節には、「主なる神は人を連れて来て、エデンの園に住まわせ、人がそこを耕し、守るようにされた」とあります。また、創世記6章から9章に描かれている「ノアの箱舟」の物語、6章19節には、「また、すべて命あるもの、すべて肉なるものから、二つずつ箱舟に連れて入り、あなたと共に生き延びるようにしなさい」と書かれています。「生物種を絶滅しないように責任をもって管理し、生物多様性を維持しなさい」と神様が人間に命じているのです。 私たちが神様から命じられたことを果たすためには、自然環境保護活動などを行い自然と向き合うことが必要になってきます。しかし、実際、行動に移すことはとても難しいことです。

そこで、私たちが自然を守るための第一歩として、まずは身近な自然の恩恵を理解することから始めるのはどうでしょうか? 皆さんは自然の景色を眺めることが好きですか? 通学路や窓からの 景色など、不意に外を眺めた時に目に入る景色は自然が作り出したものです。ですので、景色を眺めると言うことは、自然と向き合うことになるのではないかと思うのです。自然が作り出す景色は、時間や季節、場所、心情などによって姿が変わります。景色をじっくり眺めてみると新たな自然の魅力を発見したり、自然の恩恵に気づくことができるのではないでしょうか。自然の偉大さに気づいた時、初めて生物多様性を維持することの大切さに気づくことができるのではないかと思います。神様が私たち人間に与えてくださった自然の恩恵に感謝しながら、日々の生活を送ることができますように。

お祈りをします。
神さま、今日も礼拝から1日を始められますことを感謝いたします。私たちが神さまの創造された世界に感謝をし、向き合うことができますように。この頃、体調を崩している者が多くいます。どうぞ、皆の健康をお見守り下さい。このお祈りを尊き主イエス・キリストのお名前によって、御前にお捧げします。アーメン。