放送礼拝 マンドリン部

コヘレトの言葉4章9~12節

誰にでも心に残る桜の風景があります。

先日、第51回マンドリン部定期演奏会を行いました。今年度のテーマは「桜」でした。桜は不思議な花です。見る人によって様々な色に映ります。美しく、強く、儚く、潔く……。音もそれとよく似ています。指導する先生、演奏する生徒、聞いてくれる方々により全く別の音になります。また、楽しい時に見る花、聞く音、辛い時に見る花、聞く音……。その時の感情や環境に揺れ動くという共通点もあります。春の訪れにマンドリンの音色をのせて、それぞれの懐かしい記憶に触れて頂けたらと思い、心を込めて演奏しました。

高校3年生にとっては最後の定期演奏会でした。高3の部員2人で演奏した曲はテーマに合わせた森山直太朗作詞作曲の「さくら」でした。みなさんはこの歌に隠された意味があるということを知っていますか? 卒業、恩師からのメッセージ、友との別れというイメージが強い曲ですが実は特攻隊員とそれを見送る友との情景という説があります。確かに歌詞には深いフレーズがたくさんあります。

いつか生まれ変わる瞬間を信じ
さくら ただ舞い落ちる
刹那に散りゆく運命と知って
僕らを急かすように今、惜別の時……

さくら=特攻隊員と置き換えて歌詞を刻むと、なんとも言えないせつない感情が込み上げてきます。ただ、森山直太朗さんが戦地へ旅立つ友をイメージしてこの曲を作ったかは明らかにされていません。しかし、確かに特攻隊の時代はありました。友の未来を願う本当の言葉は言えないまま、さくらになぞらえるしかなかった情景が見えてきます。

歌詞をどう受け取り、イメージするかは聞き手に委ねられ、解釈は自由です。この曲に限らずもともと知っている音楽を別の角度で見つめ直して見ると、全く違う光景が見えてくるということに驚かされます。全ての物事には色々な考え方があっていいと思います。自分がどんな選択をするのか、他者が何を選択するのかも自由です。選ぶ自由がある中で、その自由に感謝しながら、それぞれの願いを持ち、その実現に向けて精一杯努力していけば良いのではないでしょうか。

英和に入学してから6年間続けてきたマンドリン部の活動も残りわずかとなりました。時間的、体力的、精神的に余裕の無い時もありましたが、なんとか続けられたのはサポートしてくれた顧問の先生や先輩たち、そして今いる仲間たちのおかげです。色々な曲と出会い、たくさん感動もしました。マンドリン部を通して私は一番大切なものが与えられました。隣を向けばお互い切磋琢磨して、より良い刺激がもらえる友がいます。私は、そんな関係を築ける幸せを大切にしたいと思います。あの場所は私の一生の心の支えです。来年の桜は、私たち一人一人にとって何色に見えるでしょうか。何色に映るにせよ、桜の花を誰かと一緒に美しいと感じられこと、語り合える友がいる幸せ、今与えられているときや場所を大切にしながら前に進んでいきたいと思います。