中学合同礼拝 加藤先生

コヘレトの言葉12章1節

私は今から約20年前に洗礼を受けました。今日はなぜ、クリスチャンになったのか、その話をしたいと思います。そこには、一冊の本との出会いが関わっていました。    皆さんは三浦綾子という作家を知っていますか? 北海道旭川出身のクリスチャンで、小説家です。先生が三浦綾子の名を知ったのは、大学時代です。 札幌に藤女子高校というカトリックのミッションスクールがありますが、友人がその学校の卒業生で、「藤女子では入学すると三浦綾子の『塩狩峠』という本を、必ず読む。とても感動するよ」と教えてくれました。

しかし、大学時代の私はキリスト教とは無縁の生活。仏教文学が大好きで、平家物語の仏教的無常観や西行、鴨長明らの思想に共感していたので、『塩狩峠』を読むことはなかったのです。

大学卒業後、ある学校の国語教師をし、生徒に薦める本を考えていた時、三浦綾子の『塩狩峠』を思い出しました。生徒に紹介する前にまず、自分が読んでみました。 読書後の感想は月並みですが、感動のひと言でした。今まで経験した事ことのない世界観が広がっていました。

塩狩峠を少し説明します。 主人公は永野信夫。キリスト教信者です。塩狩峠は険しく大きな峠で交通の難所です。峠の頂上にさしかかった時に最後尾の列車の連結部が外れてしまいます。 主人公は乗客を守るためにレールへ飛び降り、列車の下敷きとなり命を落とします。 あとは、皆さんが是非、読んで下さい。 これは、実際に塩狩峠であった鉄道事故をもとに書かれ、長野政雄さんという実在のクリスチャン男性が自分の命にかえて、暴走する列車を止めたそうです。

その後、キリスト教や神様に関心を持ち、三浦綾子さんの本を読みました。 かといって、教会に行くことはなく読書は続けていましたが、三浦さんの本を読むうちに「人間は罪人です」という言葉に複雑な思いを抱きました。 「罪」ってなんだろう。「罪」とは犯罪です。私は犯罪を犯したことないのに。 また、「神は本当に復活したの?」という疑問がわき、三浦さんに質問の手紙を書きました。

すると、「私は一小説家であり、神学校を出た牧師ではありません。あなたがキリスト教の教理を知りたいなら、教会に行き牧師に聞いて下さい」という返事が来ました。 そこで、素直な私は教会に通いだし、礼拝に出たり、牧師先生と聖書や神様の事を学びました。  疑問に思っていた「罪」とは法律的、道徳的なことだけでなく神様に喜ばれないこと。 例えば、人を妬んだり、批判したり、自己中心的な事が罪である。その私たちの罪の身代わりになってイエス様が十字架にかかり、その死により償いを成し遂げて下さったということを知りました。そして、イエス様を救い主と受け入れ、1993年イースターに洗礼を受けたのです。

後に、私は三浦綾子さんにまた、手紙を書きました。あなたの本がきっかけで信仰をもちましたと。すると、一冊の本が届きました。受洗を祝う言葉と三浦夫妻のサイン入りの本だったのです。三浦綾子さんは、1999年77歳で亡くなりました。その作品は、混沌とした21世紀を生きる私たちに力と勇気を与えてくれます。

さて、皆さん、今日の聖書のみことばを見て下さい。「青春の日々にこそ、お前の創造主に心をとめよ。苦しみの日々が来ないうちに。「年を重ねるごとに喜びはない」という年齢にならいうちに」   創造主とは神様の事です。

私は30歳で信仰をもちました。この二十年間神様の大きな恵みを体験しました。 大切な信仰の友も与えられました。しかし、少し後悔があります。それは皆さんのような若い青春の時に、信仰を持ちたかったということです。青春の時から、神様に導かれ、神様とともに歩む人生を送りたかったのです。それは、どんなに素晴らしいことでしょう。

どうか、皆さんが若い時に神様を信じ、神様とともに豊かな人生を歩むことができるよう心からお祈りしています。山梨英和での6年間の学校生活を大切にして、勉強や部活、神様の事など、多くのことを学んで下さい。そして、是非この機会に三浦綾子さんの本を手にとって読んで下さいね。それでは、ひと言お祈りします。

愛する天の神様。御名を賛美します。今朝はこうして、神様のお話をする機会が与えられたことを感謝します。「青春の日々にこそ、お前の創造主に心をとめよ。苦しみの日々が来ないうちに。」 神様を信じ、神様とともに生きる人生を、一人でも多くの生徒がその恵みを受けることができますようにお祈りします。また、毎日寒い日が続いています。 神様が私たちの健康を守って下さいますように。このお祈りを愛するイエス様の御名を通してお祈りします。アーメン。