ごあいさつ

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理事長からのメッセージ

山梨英和学院は、1889年 クリスチャン青年(新海栄太郎ら)の女子教育に対する強い願いと、カナダメソジスト教会から派遣された宣教師(C.Sイビーら)によって教育の礎が築かれました。昨年は創立130周年の記念の年として、これまでの歩みを振り返り、さらなる発展を期しました。しかし、2020年度を迎える準備の最中に、新型ウイルス感染症の脅威に晒されました。例年であれば甲府盆地を一望でき、富士山の雄姿と対面しながら勉学に勤しむことができる恵まれた環境のキャンパスに、新入生(中学生・高校生・大学生・大学院生)を迎え入れるはずでした。しかし、今、満開の桜を愛でる生徒・学生の姿はなく、静まりかえっています。

この世界を揺るがす脅威の最中、私は山梨英和学院理事長としての重責を与えられました。身の引き締まる思いです。主から与えられた使命と受け止め、園児・生徒・学生・院生、そして教職員を支え、寄り添う立場に立ちたいと願い、主の導きを祈るものです。私自身、戦後間もない山梨英和中学・高等学校で学び、恵まれた環境の中で良き師、良き友と出会い、導かれました。それは今日に至るまで私を助け守り導いてくれています。

今、世界中を覆う危機の時だからこそ、人間の真価が問われています。これまで当たり前であった日常生活、社会的繋がりが変化し、閉ざされ、経済的支えをも失いつつあります。このような時、人間が何を身に着け、どう生きたら良いのかという根本的な問いを突き付けられています。

聖書は説いています。

「だから、邪悪な日によく抵抗し、すべてを成し遂げて、しっかりと立つことができるように、神の武具を身に着けなさい。立って、真理を帯として腰に締め、正義を胸当てとして着け、平和の福音を告げる準備を履物としなさい。」
(エフェソの信徒への手紙 6 章13節~15節)

園児には一人ひとりが神の恵みに感謝するこころを育み、中・高生、大学生・大学院生は知識のみでなく、人間として正しく生きようとする真理を追究する姿勢の確立を望みます。校訓である「敬神 愛人 自修」はそのことを示しています。

一日も早く、この危機を脱出できること、そしてこの体験から学んだことを活かしながら、活気あふれるキャンパスに戻ることを願っています。

 

 小 野 興 子( おの きょうこ )

2020年4月 学校法人山梨英和学院理事長に就任

山梨栄和(英和)中高卒、聖路加短期大学看護科卒、山梨大学大学院教育学研究科修士課程修了
<経歴>
山梨県立高等看護学院教務主任、山梨県厚生部主幹、山梨県立看護短大教授・同学部長、山梨県立大学特任教授、山梨英和大学非常勤講師、新潟大学非常勤講師、山梨英和中高同窓会長、社団法人山梨県看護協会副会長・監事
<現在の役職>
山梨英和学院理事・評議員、公益財団法人山梨YMCA理事、日本臨床死生学会評議員、日本基督教団甲府教会会員

 

 

 

 

院長からのメッセージ

百花繚乱の春を迎えました。鳥のさえずりのように溌溂とした声を掛け合って登園・登校を始める幼児や生徒・学生たちの姿に合わせて、私もまた初登校する思いで、このたび思いがけない院長の重責をお引き受けすることとなりました。山梨出身でなく山梨英和学院130年史についても白紙の状態ですので、いろいろな御教示とご協力を心からお願いする次第です。

しかし、溌溂とした思いで院長からのご挨拶と所信を申し述べるべきこの4月は暗い出発となっています。世界的な未曽有の新型ウィルス感染の脅威に晒されて、老若男女のすべてが不安に包まれ、先が見通せぬまま学校も引き続き休校に追い込まれています。得体の知れぬウィルスのパンデミックは猛威を振るい、種族と国境、貧富の違いを超え、権力の有無を超えて、全世界の人々に等しく例外なく浸透して、経済と政治の営みをも終息させ、一網打尽にしています。皮肉にも、このような徹底したグローバリゼーションの到来を、いったい誰が予想したでしょうか。

あらゆる営みの終息は、人類の発展を原初状態に引き戻す危機ですから、これを乗り越える知恵と努力が結集されるべきです。しかし同時に、私たちは原点に立ち戻って、わが身を振り返る好機とすべきでありましょう。飽くことなき消費と競争の社会へと駆り立てる現代人は、いったいどこから来て、どこに向かっているのでしょうか。この根源的な問いは教育についても同様です。聖書的には神の栄光を映し出す像として創られた人間が示されており(創世記1:26~27)、この人間像を真摯に受けとめる人間形成がキリスト教教育の中心にありますが、人間の自由の誤用によって、神の愛の対象である人間と自然と世界は崩壊に向かっています。これは疫病のような一過的な現象ではありません。神の栄光から逸脱する人類は、自らが招いた闇の中で怯え、苦しんでいます。

実に、本学の寄付行為第3条(目的:・・・キリスト教の信仰に基づく人間形成の学校教育・保育・・・)に謳われた「信仰」は、私たちがこの根源的な事柄を見つめつつ、上からの救いの光を望んで教育の業を始めることを求めます。

今年の4月は、ちょうど受難週と復活節の時節を迎えました。イエスの十字架死によって急転直下した最悪の事態の中で恐れて身を潜め、鍵をかけて一部屋に閉じこもっていた弟子たちの真ん中に、甦りの主は立ってくださいました(ヨハネ福音書20:19~23)。挫折と失望を乗り越えて、なおも愛し平安をお与えになるためです。これは罪と死を乗り越えた約束ですから、堅固です。この約束はまた、今年度の学院聖句(第二テモテ2:19:神が据えられた堅固な基礎は揺るぎません)に通じます。今も主イエスは霊において学院の真ん中に立ってくださっていることを信じ、勇気をもって共に進んで参りたいと思います。

 

朴 憲郁 ( パク ホヌク )

2020年4月 学校法人 山梨英和学院院長に就任

岐阜県生まれ
名古屋学院高等学校卒、東京神学大学・同大学院修士課程修了、
韓国/基督教大韓監理教神学大学研修、韓国/大韓イエス教長老会神学大学大学院修士課程修了、
西ドイツ/チュービンゲン大学神学部博士課程修了(神学博士・新約学)、米国/エモリー大学神学部客員研究員
<経歴>
在日大韓基督教会京都教会・岡山教会・西新井教会牧師、日本基督教団千歳船橋教会牧師、
東京神学大学教授、明治学院大学・青山学院大学・東京女子大・ルーテル学院大学・上智大学非常勤講師
<現在>
東京神学大学名誉教授・特任教授、山梨英和学院理事・評議員、日本聖書学研究所所員、日本新約学会会員、日本キリスト教教育学会理事、日本キリスト教教育センター理事、アジアキリスト教教育基金(ACEF)理事、在日本韓国基督教青年会(YMCA)会員、国際宗教教育・価値センター(ISREV)会員