校長挨拶

Principal’s Message

 

 はじめまして。この4月から、山梨英和中学校・高等学校長に就任致しました森島泰則と申します。私は、21年間国際基督教大学(ICU)で教鞭をとり、本年3月末に教授を退職しました。この度、神の導きにより、キャリア人生の新たなステージとして、甲府の地に赴任致しました。

 この度の転身の背景には二つの思いがありました。第一に、本校は、1889年カナダ婦人宣教師と地元青年キリスト者によって創立された山梨で唯一のキリスト教主義学校です。今年で創立135周年を迎えました。1世紀を超える長きにわたり、キリスト教信仰に基づく女子教育を実践してきた山梨英和で教育に携われることは、キリスト者として光栄なことであり、主からの召命を覚えました。

 第二に、ICUという高等教育機関での長年の教育経験を通して、中等教育の重要性を強く認識するようになりました。特に、ICUは献学以来、リベラルアーツ教育を行っています。そこで重視されるのは、論理的・批判的思考力(critical thinking)やコミュニケーション力、主体的探究力などです。これらの知的能力は、複雑化、多様化する現代世界にあってますます重要性を増しています。学生が大学でこれらの能力を鍛え、高められるように、その基礎力を養う場である中等教育に携わってみたいと考えるようになりました。

 新校長の使命として、私は、まず第一に、聖書の真理に根差した人格教育を進めます。これは、本校の校訓である「敬神・愛人・自修」に表された資質を備えた人格の育成です。すなわち、創造主なる神を敬い、隣人を愛し、自らを律し、研鑽する女性を育てることです。一人ひとり、神から与えられた個性を生かし、感謝と喜び、愛をもって生きる自立した人を目標として、生徒たちとともに励んでいきたいと思います。

 次に、私の教育目標を「グローバル・リベラルアーツ(Global Liberal Arts)」と名付けました。「リベラルアーツ」の中心は、総合知を重視し、対話・討論、論述を通した学びです。それにより、思考力を高め、真理を探究する心と自らの規矩を確立することを目指します。また、アカデミックな学びを重視したいと思います。教科学習が基礎にあることは言うまでもありませんが、教科(学問分野)で学ぶ知識にとどまらず、異なる分野の知識と結びつけ、統合することが大切です。そのために、世界の文学・哲学・科学・歴史などの古典や名作の鑑賞も取り入れていきます。「グローバル」とは、地球的視点と国際的視野をもって学ぶ姿勢を指します。本校は、長年にわたり、英語教育を始め国際理解、国際交流教育で高い評価を頂いておりますが、それをさらに発展させ、平和に貢献する地球市民たる女性の育成に邁進します。

 どうぞよろしくお願い致します。

山梨英和中学校・高等学校
校長 森島泰則

 

◆ プロフィール ◆
慶應義塾大学文学部卒業、米国コロラド大学(ボウルダー校)大学院博士課程修了。Ph.D.(心理学)。専門は認知心理学、言語心理学。公立中学校英語教諭、在米日系企業研究員兼スタンフォード大学客員研究員、国際基督教大学(ICU)教授を経て、現在、同大学特任教授および山梨英和中学校・高等学校長。著書に『なぜ外国語を身につけるのは難しいのか』(勁草書房)、『リベラルアーツという波動』(共著・学研プラス)、訳書に『科学ですべて解明できるのか?』『コロナウイルス禍の世界で、神はどこにいるのか?』(以上、いのちのことば社)などがある。