中学入学式 ~Principal’s Message~
Principal’s Message
新しく英和生となった中学1年生のみなさんへ
山梨英和中学校へのご入学おめでとうございます。みなさんのご入学を心からお祝いし、歓迎いたします。神様がみなさんを本校に導いてくださったことを本当に嬉しく思います。
今日は、みなさんの新たな「旅立ち」を祝う日です。実は、私もこの4月に東京から甲府に来て、校長に就任したところです。ですから、私もみなさんと同じく「新たな旅立ち」を実感しています。
今、「旅立ち」ということばを使いましたが、みなさんがこれから踏み出す「旅」とはどんなものでしょうか。それについて、ふたつ申し上げたいと思います。
一つは、この旅は「時間の旅」です。これからの数年間、みなさんは授業を通してさまざまなことを学び、友人を作り、さまざまな挑戦をしていくでしょう。それから、学年が上がるにつれ、自分が「後輩」と言われる立場から「先輩」になっていくと、部活などでは責任やリーダシップが求められるようになります。そのように、自分の周りの風景が刻一刻と変わっていく「時間の旅」を経験するはずです。
もう一つは、「知」の冒険としての旅です。この「知」ということばは「〜を知っている」というときの「知る」という漢字を使います。「知識」や考えたり、判断する能力を指す「知性」ということばの「知」です。みなさんが、これから学んでいく知識は、人類が長い年月をかけて積み上げてきた膨大な知識、まさに広大な世界、その一部です。
私は、この3月まで、20年間、高校の先にある学校、大学ですね、そこで教授をしていました。これまでの研究と教育を通して、この果てしない「知の世界」を探究しておりました。それは、まさに「旅」であり「冒険」と言えるものです。
研究をしていると、ちょうど一つの国から別の国へ国境を越えていくように、専門分野や研究テーマを越えて、次々と新しい疑問という未知の世界に踏み込んでいきます。みなさんも、授業を中心として、さまざまな学びの機会を通して、「知の冒険」をしてほしいと思います。
山梨英和中学校は今年創立135周年を迎えます。みなさんが身に着けている制服は100年近い歴史があります。みなさんは、甲府の地において1世紀以上の文化と知性の伝統に加えられたのです。そのことをいつも心に覚えていましょう。
山梨英和の校訓は、正面右側に掲げられている「敬神・愛人・自修」です。左には、それが英語で書かれています。これから、みなさんが英和生としての歩みを進める中でこの校訓がみなさんの成長の土台となると信じています。
「敬神」とは、創造主なる神さまの愛に応答し、敬うことです。聖書を読むときに、「神さま、私に語って下さい。私は聞いております」と祈りつつ読みましょう。
「愛人」とは、自分を大切にするように、他者を大切にすることです。友だちや家族、先生とのつながりを大切にすること。また、世界には戦争や災害で苦しんでいる人々が多くいます。その人々へ助けの手を差しのべることも「(愛人)人を愛する」の行為です。
「自修」とは、自分の成長のために努力を惜しまないことです。神さまはみなさん一人ひとりに、あなたにしかない「賜物(ギフト)」を与えてくださっています。それは能力であったり、性格であったりするでしょう。みなさんはそのギフトを磨き上げて、豊かに楽しむ「権利」と「責任」を神さまから与えられています。山梨英和での生活を通して、それをしていきましょう。
保護者の皆様、お嬢様の山梨英和中学校へのご入学、心からお喜び申し上げます。山梨英和中学校・高等学校は6カ年一貫教育の中で、揺らぐことのない教育理念の上に立った豊かな教育を実践してまいります。
生徒が充実した学校生活を送るためには、保護者と学校の信頼関係が何より大切です。本校の教育方針へのご理解をお願いするとともに、英和ファミリーとして、ともに生徒たちの育成に取り組んできたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
山梨英和中学校での生活が、豊かで、神様の祝福に満ちたものとなりますように、心から祈りつつ、式辞と致します。
2024年4月5日 山梨英和中学校長 森島 泰則