合格体験記

下へ下へと根をのばせ。やがて大きな花が咲く

東京大学
文科Ⅲ類

深く根を張り、葉を広げる

 合格者一覧に自分の番号を見つけたとき、遅咲きの桜がやっと咲いたのだと思いました。
 私は昨年入学した大学に通いつつ受験するという、いわゆる“仮面浪人”をしました。大学生としての半年間で感じたことを交えつつ、 3つに的を絞って書きたいと思います。少しでも参考になれば幸いです。

「謙虚な自信を持つ」

 これは、とある塾講師のアドバイスから引用した言葉ですが、これは勉強に限らず非常に大切なことだと思います。自分を向上させたいと思った時に、 まずするべきことは現状把握です。自分はできると必要以上に思い込む過大評価も、自分はダメだと底なし沼にはまったように落ち込む過小評価も、 どちらもあまり良いことではありません。客観的に自分を見ることができれば、何を改善すればよいのかが見えてきます。このとき役立つのが模試です。 出てくる判定に囚われすぎずに、自分に足りないものを見極めるのが大切です。逃げたくなる気持ちもよく解りますが、しっかりと向き合ってください。 模試に関してひとつ付け加えるとするならば、復習を怠らずにやってほしいということです。私は模試で間違えた事柄を付箋に書き、ノートに貼っていました。 特に暗記科目は覚える軸とするもの(ノートや教科書、参考書など)を決め、それに情報を集約させるようにしていました。そうすることで、 いつもひとつのものを見返せばその科目の復習ができようにしました。

「自分にあった時間管理を」

 模試とともに役立つのが、勉強時間とその内容を記録することです。ある程度の量をこなさなければ力はついてこないので、 日々どれほど自分が勉強できているかを確認するのは重要です。量だけでなく質も確認しつつ、効率よく時間を使えているか、 どういう時間配分やタイミングが勉強しやすいかを意識しつつ記録していました。 その中で、英単語や古文単語は時間をかけて丁寧に単語集を読んでいくよりも素早く何度も見ていく方が、個人的には良いと感じました。 すぐに意味が出てこなかった単語にマークをつけるのを繰り返していくと、自分がどの単語が苦手なのか一目でわかるようになります。 その単語を重点的に覚えるようにしました。
 それぞれに得手不得手はあると思うので、自分にあった時間のかけ方を見つけていってください。

「意味を見出す」

 大学に通いながら受験ができたことの最も良かったことは、受験勉強に意味を見いだせたことです。教科書に書かれた何気ない一言が、 たまたま講義で出てきたことがありました。どういった資料をもとにその一言が記述されたか、どのような時代背景であったか。 「そういうことだったのか」と自分の中で繋がったことがとても面白く感じました。興味が深まったのに加え、しっかりした基礎がなければ講義内容への理解を深めることはできないと直に感じ、 勉強へのモチベーションにすることができました。無理やりにでもすべてのことに意味を見つけろというわけではありませんが、自分なりに何かしらの意味を見出すことは、 広く周りを見渡すときの指針になり、自分が何をやりたいのかを教えてくれると思います。

仲間と高め合える関係を築く

 これから高校3年生となるみなさんへ。私が思うに、高校3年生として受験生を過ごす中で、仲間と互いに高め合える関係を築くことが一番大切かもしれません。 クラスと関わる時間は多くあります。どんなに無関係でいようとも、どうしてもクラスの雰囲気には影響を受けてしまうものです。様々な入試形式があり、 人それぞれに事情があるのはよくわかりますが、あまり自己中心的になりすぎず、周りへの配慮を忘れずにいてほしいと思います。 また、行事や日々の役割のために時間を割かなければならないことに嫌気がさすこともあると思います。けれども、高校3年生は一度しかありません。 ぜひその二度と来ない時間を大切かつ、大胆に使っていってください。

私の好きな言葉

 以上の3つのこととともに、私の好きな言葉を紹介したいと思います。 『何も咲かない寒い日は下へ下へと根をのばせ。やがて大きな花が咲く』 受験のみならず、思うように成果が出ないときは様々な局面で必ずあります。すべての努力が自分の思い描いた通りの結果になるとは、私は思いません。けれども、どんな努力も決して無駄にはなりません。それぞれが何かしらの根となり、葉となって、自身を成長させてくれるはずです。それらはやがて、大きな花を咲かせる力になると私は信じています。雨に打たれながら、風に吹き飛ばされそうになりながら、強い日照りに枯れそうになりながら、それでもそれらを乗り越え、春にみなさんがそれぞれの花を咲かせることを祈っています。

 最後に、再受験を快く受け入れずっと支えてくれた両親と、忙しい中でも自身の時間を削って勉強を手伝ってくれた友人たち、応援してくださった先生方と大学の仲間たちに、心からの感謝を込めて、この文章を締めさせていただきます。


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