自然科学部

自然科学部の活動

研究活動

環境変化を敏感に表す生物(指標生物)を用いて、自然の豊かさの診断を行っています。本校の裏山である甲府市愛宕山から始まり,近年は官公庁の許可の下,世界自然遺産である富士山の土壌から土壌動物を採取して生態系の多様度を調査しています。

例えば,土壌表面や地中に生息しているササラダニ類は腐植を餌としており、指標生物として特に有効な土壌動物です(ヒトが刺されることはありません!)。ササラダニ類やトビムシ類,小さな昆虫などを調べることにより,愛宕山や富士山の自然に対する人為的影響や,溶岩流と植生遷移の関係,野焼きと生物多様性との関係などを推測することができます。またこれらの研究を継続することにより,自然度の経年変化なども分かるようになってきました。また昨年度より,淡水中に生息するミズダニを指標生物とする研究も始まりました。

ササラダニもミズダニも小さな動物です。何時間も実体顕微鏡で観察し,地道に頭数を数えて分類していく作業を毎日くり返しています。しかしよく見ているうちにダニの多様性に魅せられて,女子生徒ならではの真面目な根気良さで楽しく取り組んでいます。

このほかに,外来生物種に関する知識を広げるための教育支援に関する研究や,SS(スーパーサイエンス)課題研究として様々な研究が行われています。

これらの研究の成果は,山梨県高等学校芸術文化祭や県立科学館サイエンスフェスタなどの県内高校生が集う場のほか,大学や研究機関の研究者による専門学会でも発表しています。

 

ボランティア活動

校内で実施される理科実験教室や県立科学館「科学の祭典」などで,簡単な科学実験を分かりやすく指導するなど,地域の小中学生に科学の楽しさを伝えるためのボランティア活動を行っています。また米倉山ゆめソーラー館のイベントでは,ソーラークッカーの原理や利点を説明し,制作を指導する講師を生徒がつとめています。

 

各種コンクール参加

科学オリンピック(化学グランプリ,生物学オリンピックなど)や科学の甲子園など,JST(科学技術振興機構)が運営する取り組みに積極的に参加しています。

 

再生可能エネルギー研究

研究の背景・目的

2011年度より科学技術振興機構「中高生の科学部活動振興プログラム」の支援を受け,再生可能エネルギーの実験研究を開始しました。

  1.  自然災害などの非常時に自分たちでエネルギーを生み出すことができるようにすること。
  2. 地球温暖化が進む現代において必要とされる,環境負荷の低減を目指したカーボンニュートラルなエネルギーの普及を図っていくこと。

生徒の家庭から持ち寄った廃油(揚げ物に使ったものなど)から、カーボンニュートラルなエネルギーの一つであるバイオディーゼル燃料の生成を行う際に、太陽光を利用した効率の良い条件および装置の開発などについて日々実験を重ねています。
また、その際生成される廃グリセリンの処理についての研究も行っています。

2012年度には、山梨県芸術文化祭高等学校理科部会特別賞、第56回日本学生科学賞山梨県知事賞を受賞しました。

 

ダニ研究

研究の背景・目的

ツルグレン装置と観察の様子

 ダニなどの環境変化を敏感に表す生物(以下,指標生物)を用いて、本校の裏山ともいえる愛宕山の自然の豊さはどれほどなのかを調べるために,自然の診断を行っています。ササラダニは、土壌表面や地中に生息し,腐植を餌としており、特に指標動物として有効です。(ヒトが刺されることはありません!)
研究を継続することにより、愛宕山における、異なる自然度の分布や、経年変化を観察しています。 2013年度は、学校のSSH指定により、自然科学部の活動もより活発になっています。

 

 

 

活動概要