お知らせ

トップページ > 園長通信 > 「憐れみ深い深い人々は、幸い…
カテゴリ:園長通信 投稿日:2021/08/01

「憐れみ深い深い人々は、幸いである。その人たちは憐れみを受ける。」(2021年8月保育聖句)

『 76年目の夏 』

 蝉が勢いよく鳴き、汗びっしょりのこの時期になると、毎年広島平和記念式典と長崎平和記念式典に思いが向きます。朝からテレビ中継され、日本中、世界中から多くの平和を願う人々が集う、平和の祭典です。

 第二次世界大戦の末期である8月6日広島に、9日長崎に原爆が投下され、多くの方が命を落としました。生き残っても被爆し、長く原爆症で苦しい日々を送っている方々もたくさんおられ、その方々のことを思うと胸が痛みます。また、被害にあった方のほとんどは、非戦闘員(女性、子ども、お年寄り等軍人ではない方々)でした。私が中学校に勤務していた時には、この日に合わせて登校日を設定し、平和集会を行ったりしたこともありました。

 中学校の歴史教科書、資料集に必ず掲載されている「原爆の図」という絵があります。描いたのは、画家の丸木位里、俊夫妻で、32年の歳月をかけて完成させ、全部で15部の超大作です。教師が時間をかけて原爆の説明をいくらしてもなかなか生徒にはその悲惨さは伝わりませんが、この「原爆の図」を1枚見せるだけで、原爆が人類にとっていかに惨く、どのような理由があっても使ってはならないものだということが伝わります。

私は三十数年間、ずっと本物のこの絵を見たいと思っていましたが、なかなか見る機会がありませんでした。そして2年前、やっと埼玉県東松山の丸木美術館を訪ねることができました。言葉が出てこないほど圧倒されました。そして、どうしてもっと早く来なかったのか、生徒たちを全員連れてきて見せたいと強く思いました。丸木夫妻は、「原爆の図」以外にも「南京大虐殺の図」「アウシュビッツの図」「沖縄戦の図」「水俣の図」なども描きました。交通の便があまりよくなく、行きにくいところにありますがぜひ一度、「丸木美術館」をたずね、多くの人に「原爆の図」をみてほしいです。(何年か前、甲府でもYWCAが「原爆の図」のレプリカを使った展示会を行い、見に行きました。)

さて、今月の聖句は「憐れみ深い人々は、幸いである、その人たちは憐れみを受ける。」(マタイによる福音書5章7節)です。私は長い間、この聖句は「人に憐れみをかけるといつか自分も憐れみを受けることが出来る。」という意味だと考えていました。でも、それは大きな間違いでした。マタイによる福音書18章21節でペテロの「自分に罪を犯した兄弟を何回赦すべきでしょうか。」という問いに対してイエスは「七の七十倍までも赦しなさい。」とおっしゃっています。つまり、自分に対して罪を犯す者に対しても徹底的に憐れみをもって接しなさいという意味です。それは、私たちはすでに主イエスによって神の大きな憐れみを頂いているからです。その憐みに応えるような生き方が求められているのです。

私の中でも、どうしても許せない出来事、許せない人が事実としています。憐れみ深い人になることはなかなかできないでいます。でも、同時に私のことを許せない人もいるかも知れません。私の中では、これからも考えていかなければならない永遠のテーマです。

園長 石川 健

 

 

 

ページの先頭へ戻る