「主イエス・キリストの恵みと平和が、あなたがたにあるように」
「主イエス・キリストの恵みと平和が、あなたがたにあるように。」
ガラテヤの信徒への手紙 1章3節
2015年度は山梨英和学院に連なる3つの幼稚園にとって新しい一歩を踏み出す記念すべき時となりました。すでに2013年度から幼稚園型認定こども園に移行していた石和英和幼稚園は新たに幼保連携型認定こども園として、そして山梨英和幼稚園と韮崎英和幼稚園は今年度から幼稚園型認定こども園となってスタートしたからです。
4月から施行された子ども・子育て支援新制度が願う、すべての子どもたちが等しく最善の利益と権利が保障されて健やかに育ち行けるように配慮しそのために必要な生活環境等を幅広く提供する、その一端を山梨英和の幼稚園は「認定こども園」となることで今まで以上に積極的に担いたいと願っています。
そうした働きを進めるうえで大切なのは活動の土台と目標をしっかりと見据えることであると考えます。「認定こども園」となった英和3園の土台がキリスト教信仰にあることをゆるがせにせず、これからも聖書から教育、保育の目標と指針を与えられて進んでゆく。山梨英和の「幼稚園」が歩んできた100年余の歴史は単なる過去の遺産ではなく、未来を切り開く大きな力であることをここでもう一度心にしっかりと刻みたいと思います。聖書を伝えたユダヤの人々は過去の歴史に学びつつ未来へと歩を進めたといわれます。たとえれば、あたかもボートをこぐように後ろを見ながら前に進むのです。しかし後ろ向きに前へと進むのは恐いことです。その不安な者の手をとり、声をかけ、守り導いてくださるのが神様です。彼らはそのように信じました。私達もそれにならいます。それがキリスト教であり、信仰がもたらす希望です。
3つの園は名称も新たになりました。それによって3つの園が共に「山梨英和」というキリストの学園であることを示し、さらに「こども園」と称することで、「幼稚園」という言葉がもつ従来のイメージではくくれない豊かさを少しでも示したいと願っています。その中にカナダ人女性宣教師のお名前を付けたのはこの学園がかつて決して豊かではなかったカナダの方たちのあつい祈りと尊い献身、献金によって生み出された事を心に刻み、受けた恵みに感謝して、今度は世界に平和をもって応える人を育てるところに山梨英和のこども園の使命があると信じるからです。
そのことを思う時、今年度の保育指針である「平和を実現する人々は、幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイ5章9節)という聖書の言葉のなんと深く、4月の主題聖句である「主イエス・キリストの恵みと平和があなたがたにあるように」という言葉のなんと励ましに満ちていることでしょうか。ここで言われている「あなたがた」の中には、こどもたちとそのご家族、そしてともに歩むことがゆるされている教師、保育者、職員すべての者達が含まれています。
神様からの子の祝福の言葉を拠り所に、この1年、平和を追い求め、平和を願い、平和を少しでも実現できるキリストの命に活かされる場所となって行きたいと心から願います。
園長 大木正人