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カテゴリ:園長通信 投稿日:2015/11/04

平和の種がまかれ、ぶどうの木は実を結び、大地は収穫をもたらし、天は露をくだす。(旧約聖書)ゼカリア書 8章12節前半

平和の種がまかれ、ぶどうの木は実を結び、大地は収穫をもたらし、天は露をくだす。 

(旧約聖書)ゼカリア書 8章12節前半

 

実りの秋、収穫の秋を迎えました。美しい紅葉に自然の豊かさを知らされ心もはずみます。子どもたちも菜園での収穫をはじめとして、自然に親しむ機会が増えます。

豊かな実りは、神様の恵みと大地に仕える人の働きの結果であると聖書は教えます。そしてその実りを喜び、感謝して分かち合うこと通して、聖書は私たちが他者と共に「平和」に生きることの大切さを教えます。そのことを『讃美歌21』に収められている「美しい大地は」という現代の賛美歌(424番)は次の歌詞でうたっています。

   1節) 美しい大地は、私たちの神が与えられた恵み、貴(とうと)い贈り物。

                 約束の大地はわかちあいの大地。神の強い御手(みて)に導かれた土地。

  2節) むさぼりの心が正義を踏みにじり、貧しい人々の大地を取り上げる。

      喜びの歌声、涙に変り果て、緑のこの土地は灰色に変わる。

  3節) 種まく者が飢え、刈り取る者が痩せ、紡ぐ者がふるえ、むさぼる者が富む。

      ため息の大地を神は見過ごさない。この大地すべては みんなの持ち物。

  4節) 美しい大地は私たちの神が与えられた恵み、貴い贈り物。

    分け合い、助け合う、希望満ちる大地、そのすべての物はみんなの嗣業(しぎょう)だ。

 

インド独立の父と呼ばれるガンジーは、「地球はすべての人の必要を満たせるが、欲望は一人分でも足りない」と語りました。アジアで初めてノーベル経済学賞を得たアマルティア・センは次のように指摘しています。 

  民主主義形態の政府や比較的自由なメディアが存在する国々では大飢饉と呼べる事態など一度も起こったことがない…。大飢饉が実際に発生したのは、古代の王国や現代の権威主義的社会、また原始的な部族コミュニティや近代的なテクノクラート(高度な専門知識がある官僚)による独裁体制、北からの帝国主義的支配を受ける植民地経済や専制的な国家主義的指導者あるいは一党独裁体制下におかれた南の新興独立国などにおいてです。  『貧困の克服』(集英社新書)50頁 

 

私たちが住むアジアでは、5歳未満の子ども3億5000万人の1/4は低体重で、1億人は発育不良です。世界では一日に17,000人の5歳未満の子どもが防げる病気で亡くなり、5,700万人の子供が学校に通えず、1億6,795万人の子どもが児童労働を強いられている。この現実を少しでも改善できるように、欲望と独り占めをコントロールできる心を育み、分かちあう大切さの祈りを育むことで、平和の種の芽生えと成長をめざしたいと願います。

園長 大木 正人

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