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2020年04月10日

 教育・研究  

山梨英和大学における遠隔授業の方針の概略

この方針は大まかな目安である。大学としてすべての授業の管理・監視は不可能なので、教員各自がこの方針を理解した上で、遠隔授業を実施せざるを得なくなった場合の授業設計に参照することを想定している。

 

遠隔授業を実施するにあたり、配慮しなければならないことは、大きく3点。

 

1.通信容量をできるだけ使わない方法を用いる

自宅にWi-Fi環境がなく、スマホの月当たりの通信量制限が5GB程度の学生が少なからずいる。動画配信や双方向授業は通信容量が大きく、当該学生は数回の授業を受けるとその後の通信がほとんどできなくなってしまい、授業の公平性を担保できない。(※通信会社の特別措置で25才以下の利用者は50GBに増加されることが決まっているが、26才以上の学生もおり、留学生への適用も不明である。いずれにせよ、50GBであっても多くの授業が動画配信・双方向を行うと、1ヶ月は持たない。)

 

2.教育効果ができるだけ低下しないようにする

オンライン授業は世界の多くの大学で行われているが、対面授業と比較した場合の教育効果の低下は避けられない。このため、感染リスクが充分に避けられる場合は対面授業を行うことが望ましいが、安全が担保できない場合は遠隔授業をせざるを得ない(感染リスクは自分の1回の授業だけで考えるのではなく、たとえば学生が複数の対面授業を受けた場合はその分のリスクが上がることや、通学で公共交通機関を利用した場合にもリスクが上がることも含めて考慮すべき)。

まず、遠隔であっても所定の授業回数(もしくは授業相当の課題)を行うことが大前提となる。文部科学省の指針においても、授業回数(もしくは授業に相当する課題)を担保すべきことは明記されており、大学の認定基準にもかかわってくるので、遵守すべき。

通信容量を多く使わないとなると、反転授業のような授業が中心となるだろう。反転授業の例として、Google Classroomで資料を配信し、その知識についての小テストや小レポートを課す、ということなどが考えられる。その際、学生は複数の授業を受講しているので、時間割に設定されている時間に回答・提出させるのがよいだろう。文科省の指針では、毎回の課題に教員の評価・フィードバックまでやらなければ授業が成立したとみなさないようである。授業で使える方法の例を紹介したさらに詳しい資料を後日配信する。

演習を含む授業など、対面でないと難しい授業もあるだろう。その場合は次の2つのやり方を検討する。①遠隔授業が一切不可能な授業は、集中講義や後期への時期変更を行う。②「一部は可能だが全部を遠隔実施するのは難しい」場合は、学期途中で対面授業が可能になることを見込んで、学期前半に遠隔授業を実施する。状況が改善せず、学期中の対面授業に必要な回数が確保できなくなった場合は、学期途中で時期変更を行い、残りの対面回を集中講義もしくは後期に行う。

いずれにしても、いつ終息して対面授業が可能になるか誰にも予想できないので、授業の進め方は、それぞれの担当教員が臨機応変にやっていくしかない。シラバスに記した授業予定の通りに進められない場合は、いかにして授業全体の到達目標を達成するかを考えていくことが重要である

 

3.柔軟かつマメに受講生への配慮・対応を行う

上述のように、遠隔授業では教育効果が落ちる。充分に伝わらないというのも一因だが、自宅にずっといて切り替えが難しくなったり、教員や友人と会わない(見られていない)ために意欲が維持しにくくなったりするなど、学習・研究へのモチベーションが下がりやすい。授業参加や課題提出が滞る受講生については対面授業以上に注視・対応をしなければならない。加えて、学生の受信環境や生活スタイルが多様であるため、柔軟な対応が必要となる。大量のドロップアウトが生じる事態を回避するためにも、可能な限りサポーティブな対応が重要である。

 

 

※これは4月7日付で教員に配信された方針の概略である。

 

 

2020年4月10日

山梨英和大学 遠隔授業プロジェクトチーム

 

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