2020年08月07日
教育・研究
⻑かった梅⾬は明けましたが、新型コロナウイルスの感染はなお⼤変深刻な状況にあります。
本来でしたら、皆さんは先生方や仲間たちと⼤学のキャンパスでの前期の授業を終え、夏休みの楽しいスケジュールを計画し、実行し始めているところだったと思います。
しかし、前期は新型コロナウイルスの蔓延により、キャンパスはクローズされ、授業開始も1カ月遅れた上、オンライン遠隔授業を余儀なくされました。そのため、学生の皆さんはいろいろと⼤変な苦労をされ、本当に辛く残念な日々を過ごされたことと思います。
6月1日からは、不定期ながらも、特段の理由があれば、ゼミナールや語学などの20名未満の授業を対面で行い始めました。また、課外活動も「感染予防ガイドライン」に沿って感染予防対策を行った上で顧問等の立会いのもとに活動が認められました。
コロナ危機による就職氷河期に直面した4年生や3年生の皆さんの就職活動を支援するため、進路部がオンラインによる就職ガイダンス・文書作成指導・模擬面接などを実施してきました。
また、さまざまな悩みを抱える皆さんへはゼミナールの指導教員が対応されると共に、学生部の学生相談室で電話やテレビ電話による相談を受け、特段の理由がある場合はキャンパスでの面談にも応じています。
山梨英和⼤学では、4月に政府の緊急事態宣言よりも早く、緊急対策本部を設置し、学生と教職員の皆さんの健康と命を守ること、教学の崩壊をきたさないこと、学生や保護者の皆様へ適切な情報を迅速に提供すること、対応策を明示すること等々を基本方針として実行してまいりました。
後期の授業につきましては、新型コロナウイルス感染の第2波、第3波の到来も懸念され未だ予断を許さぬ情況であるため、時間割は現状のままとし、遠隔授業と対面授業を併用する、いわゆる「With コロナ期におけるハイブリッド型授業方式」を実施して行きたいと思っております。
キリスト教精神に基づく山梨英和⼤学は聖書の中の羊飼いの喩えにありますように、「誰一人、取り残さない」という考えに沿って新型コロナ感染症対策を進めています。障がいを持つ方、身体の弱い方、公共の交通機関の利用に不安を感じている方に無理のないように、すべての対面授業はオンラインでも受けることが出来るようにしております。
山梨英和⼤学の全ての学生の皆さんが、春学期に自粛してオンライン授業を一生懸命に受講されたことに心より感謝しております。明日からは夏休みに入りますが、学生の皆さん自身の健康と命を守るために、三密(密閉・密集・密接)が発生する場所を避け、⼤人数での会食や飲み会や⼤声を出す行動を自粛していただくと共に、手洗い・マスク着用・消毒・換気などにも充分注意して下さい。
このようなお願いをすることは心が痛みますが、皆さんが山梨英和⼤学の一員であることに誇りを持ち、校訓である「愛人」(他者を⼤切にすること)を念頭に置いて行動して下さることを信じています。
コロナウイルス感染拡⼤による未曽有の厳しい情況の中で、これからも皆さんは⼤変苦労されることと思いますが、4月にも皆さんにお伝えしましたように、「苦難」の中で、神様のご加護のもとに「希望」を持って前進して行きましょう。
最後に、アルベルト・シュバイツアー博士の「われわれには常に未来がある、もしわれわれが英知と勇気を持ち続けるなら」という言葉を念頭に置いて、未来に向かって前進し、皆さんが心身ともに健康を保ち、秋学期を迎えていただくことを衷心より期待して止みません。
2020年8月7日
山梨英和大学 学長 菊野 一雄