2023年03月21日
教育・研究2022年12月に沖縄県那覇市の市町村自治会館で行われた日本パーソナリティ心理学会第31回大会で、佐柳信男教授と切金利恩さん(2021年3月卒業生)が発表した「育児自己効力とパートナーのサポートが母親の育児不安に及ぼす影響 ―就業形態による影響の違い―」が優秀大会発表賞に選ばれました。
この研究は、1,700人以上の育児中の女性にウェブでのアンケート調査を行った切金さんの卒業論文がベースとなっています。
就業形態による育児不安の違いを検討したところ、専業主婦と非正規職の母親の育児不安が正規職よりも若干高い傾向が確認されました。さらに、正規職の母親はパートナーの育児参加に満足しているほど育児不安が低下するものの、専業主婦と非正規職はパートナーの育児参加があっても育児不安は低減しにくいことが示唆されました。
受賞について、切金さんは以下のコメントを寄せています。
「自分の卒業研究がこのような賞をいただけて大変光栄に思っております。ご指導いただいた先生、調査に協力していただいた方々には心より感謝申し上げます。」
「日本では、女性の就業率が上昇した現在も子育てにおける母親の負担が大きく、母親の孤立による精神的な健康状態の悪化、子どもへの虐待などが問題視されています。卒業研究では母親の育児への不安や自己効力感に影響することとして、就業形態やパートナーのサポートに着目し検討しました。多くの調査協力者を得られたことや今回の受賞によりこのテーマの注目度の高さを実感しました。今後このような状況が改善されていくことを願っています。」