2017年02月20日
イベント 教育・研究2月17日(金)、高田 治 氏(川崎こども心理ケアセンターかなで施設長)をお招きし、山梨英和大学心理臨床センター地域連携セミナー「生活の中での心理臨床−情緒障害児短期治療施設の体験から−」を開催しました。
近年深刻化しているいわゆる「虐待」を受けた子どもたちの問題を中心において、長年の「情短(児童心理治療施設)」での体験を踏まえた示唆に富んだお話しをしていただきました。「虐待」は当事者だけでなく、援助しようとする人々にも大きな影響を与えるきわめて深刻な問題ですが、当日は山梨県でも平成31年度に児童心理治療施設を開設予定という背景もあり、子どもたちと現場で向きあっている人たちをはじめとして、140名を越える方の参加をいただきました。
講師の高田先生からは、子どもたちの施設入所当初の体験世界、「日常が怖いお化け屋敷の連続の状態」からはじめて、どのように安心感を得て主体性をもって生き始めることができるか、それには周囲の大人にどんなことが必要か、子どもたちにとっては、失敗のない完璧な大人よりも失敗をしても乗り越えていける大人の姿を示せる方が大事であること、また大人にとっても高いストレスがかかっている事実を認め援助者も生き生きと働き続けられる職場環境を作っていくことの重要性、など多くの具体例を踏まえて、お話しいただきました。
講演後も活発な質疑がなされ、講師の率直で人生に肯定的な態度にも支えられて、「大変なことはある。でも明日からまた頑張ってみよう」という前向きな雰囲気で終わることができたと思います。
参加者の皆さまに心から感謝申し上げます。
日 時:2017年2月17日(金)18:30~20:30
場 所:山梨英和大学 101教室
講 師:高田 治 氏(川崎こども心理ケアセンターかなで施設長)
テーマ:「生活の中での心理臨床 情緒障害児短期治療施設の体験から」
主 催:山梨英和大学心理臨床センター
※入場無料・申込み不要