2017年10月23日
教育・研究後藤 晶 助教が、社会情報学会(SSI)学会大会 研究発表優秀賞を受賞しました。
これは、2016年度学会大会にて発表した後藤助教の研究「成果報酬は「いい制度」か?:オンラインアンケート調査を用いた社会経済的要因の検討」が、その優秀性を認められ、9月16日(土)、17日(日)に開催された2017年社会情報学会(SSI)学会大会において表彰されたものです。
【受賞者】 後藤 晶 (人間文化学部 助教)
【研究テーマ】 成果報酬は「いい制度」か?:オンラインアンケート調査を用いた社会経済的要因の検討
現在、日本の労働者を取り巻く環境は変化しつつあります。本研究では望ましい収入と労働時間、および望ましい収入と報酬体系について、主観的指標に着目して実施された調査について分析を行いました。
その結果、長い労働時間であっても、報酬が見合っていれば人々に受け入れられること、成果報酬に比べて一定報酬を望ましく思うこと、成果報酬であったとしても、企業業績要因による給与の変動よりも、個人業績要因による給与の変動をより望ましく思うことが明らかとなりました。さらに、300万円の給与の増加では、高個人収入者のみならず、低個人収入者においても労働意欲が改善しないことを指摘しました。
これらの結果は長い労働時間であっても、適切な労働条件が整えられれば人々に受け入れられること、安定した労働条件の方を、変化があり得る労働条件よりも人々は望ましく評価すること、成果報酬であったとしても、自身の労働に見合った評価を望んでいるのであって、企業の業績によって労働条件が変化することはより望ましくなく、不当であると考える傾向にあること、低個人収入者は「高い収入を得られない」のではなく、あえて「高い収入を得られなくても良い」と意思決定をしており、現実社会の労働においても、働きアリの法則が成り立ち得ることを示唆しています。