2017年10月27日
イベント 教育・研究2017年度「半日修養会」では、福島で生まれ育ち、2005年には「九条の会・西栄町学習会」を立ち上げ、「自分のことばで平和を語る」をモットーに地元に根ざした活動を長く続けてきた片岡輝美さんをお迎えして開催しました。
片岡さんは、2011年3月11日に起こった東日本大震災とその際の大津波によって引き起こされた福島第一原子力発電所事故(片岡さんは「福島原発《核》事故」と表現されています)による放射能被害から子どもを守るための活動を震災直後の5月から始めるとともに、「会津放射能情報センター」を7月に設立し、代表となりました。夫とともに教会に仕えつつ、ご自身の信じるところをふつうの言葉で社会に発信し、そのつど行動を起こしてきた方でした。
講演を聞いた学生たちの声を紹介します。「講演で多くの事実を知ることができた。片岡さんはとても行動力のある人だと思った。それは自分の子どもを守ろうとして最初は電話を教育委員会にかけたのかもしれないが、今では子どももその親も守る活動につながっていると思ったからだ」。「福島原発事故7年目、メディアから得る情報は“復興”のものばかりと変化し、私たちはそれによって知らず知らずのうちに“復興した福島”という虚像を創り上げてしまっていたのかもしれないと思いました」。一方で、「片岡さんの考えを押しつけられているような気持ちがして、本当に片岡さんがおっしゃっていたことだけが事実なのだろうかとも感じた」というコメントもありました。
いろいろな応答があっていいと思います。あるメッセージを他者にありのまま伝えることの難しさ、現代における「隣人愛」とは何かという問いかけをも学生は感じたことでしょう。今後も「半日修養会」の意義を確認できるプログラムを考えていきたいと思います。
宗教主任:高橋 一
日 時:2017年10月18日(水) 午前10時~11時40分
講 師:片岡輝美 氏
講演題:「でも、そこにいのちがあるから」
場 所:山梨英和大学 グリンバンクホール