さがしなさい。そうすればみつかる。(マタイによる福音書7章7節)2022年6月保育聖句
『 求め、探し、門をたたく 』
5月のゴールデンウイークあたりから、気候も穏やかで過ごしやすい日が続いています。世の中では、ロシアのウクライナ侵攻、北海道観光船の沈没事故、山口県阿武町では補助金の誤入金など、あまり喜ばしくないニュースが流れています。そんな中、暗いニュースを吹き飛ばすかのように子どもたちは元気いっぱい笑顔で生活しています。嫌なことも忘れさせてくれる。子どもにはそんなすごい力がありますね。
さて人間は生まれてから死ぬまで、多くの欲求、夢、希望を持ち続けます。生まれてすぐには、お母さんからおっぱいをもらいたい、抱っこしてほしい、声をかけてほしいなどと願います。もう少し大きくなると、おもちゃが欲しい、遊園地に連れて行ってほしい、自分の方をみてほしい、などとほしいものがより具体的になってきます。もう少し大きくなると、サッカー、野球などのスポーツ、ピアノ、習字などの習いごとを通して夢は広がります。大人になると、欲しいもの、求めるものはさらに多くなります。どこの大学に進学しようか、どの会社に就職しようか、どんな資格をとろうか、いい車に乗りたい、広い家に住みたいなどと夢は広がっていきます。そして、お金で買えるものは努力すれば多くのものは手に入るような気がします。逆に、手に入りにくいもののほとんどは、目に見えないものです。毎日、普通に仕事をし、普通に生きているとあまり考えることはないですが、ふとした瞬間に、何か心に満たされない部分を感じることはありませんか?私たちは自分の欲、希望がすべてかなえられないことを知っていながら、ついつい多くのものを求めてしまいます。私も中学校教員として長年多くのことを願ってきました。どうしたら分かりやすく楽しい授業ができるか、どうしたら生徒一人一人が大切にされる学級集団を作ることができるか、どうしたら部活動で勝利することができるか、どうしたらいじめや不登校をへらすことができるかなど願うことは沢山ありました。そして、常に求め、探し、門をたたき続けてきたような気がします。完全な答えは得られなかったかもしれませんが、多くのものが心に残りました。
今月の聖句で子ども達が口にするのは「探しなさい。そうすれば、見つかる。」です。探すのは、あくまでも子ども自身です。でも、探し求めれば全て得られるのではないという現実に直面します。そして、どうせ探しても、求めても、門をたたいてもだめだからやっても仕方がないと考えてしまうのが一番怖いです。探し、求め、門をたたけばいつかは必ず開けてもらえると信じて生きることが大切なのだということを子どもたちに体感してほしいです。求める私たちに神さまは必ず何か答えを示して下さるはずです。多くの挫折や失敗の向こうには、必ず求めているものがあると信じたいです。
園長 石川 健