山梨英和創立126周年記念コンサート「イタリア古楽コンサートー《聖と俗》-」出演者様からのメッセージを紹介します。
山梨英和創立126周年記念コンサート「イタリア古楽コンサート―《聖と俗》―」開催まで、1週間となりました。
本コンサート開催を楽しみにしてくださっている皆様に、当日の演奏曲目(予定)と出演者の濱田芳通様より頂きましたメッセージをご紹介いたします。
■「イタリア古楽コンサート―《聖と俗》―」について
17世紀イタリアは芸能の中心地でした。当時、王侯貴族ではない一般の人々が唯一音楽を楽しめた場所はカトリック教会。錬金術との絡みで発展した「科学」が、まだこの時代はミステリアスであったのにくらべ、「宗教」の力は絶大でした。作曲家と呼ばれる人たちは、「聖句」と「愛の詩」、両方に曲を作り、また、彼らは作曲家であると同時になんらかの楽器の名手であったり歌手であったりで、普段は即興演奏を行っていました。イタリアの大都市に集った才能は、まさに「人事を尽くし天命をまつ」という即興的なスタンスで創作活動に発揮され、神の啓示―霊感が最も重要視されていました。現世的なデカルト・ニュートン時代の到来を目前に控えたこの時代は、「霊感」の最後の砦であったわけです。
■本コンサートの聴きどころについて
この時代は一人の作曲家が、教会で演奏される宗教曲と宮廷などで演奏される世俗曲を両方手掛けています。聖書や宗教詩を用いた宗教曲に比べ、ほとんどが「愛」をテーマにした世俗曲では、この時代の特徴でもある、歌詞にダブル・ミーニングを持たせ、隠喩的にエロチックなニュアンスを織り交ぜている事を考えると、聖と俗の内容がかけ離れているだけに大変興味深いものです。当日のプログラムでは、このような作品が作曲家別に続けて演奏され、比較してお楽しみいただける構成となっております。
皆様お誘いあわせの上、ご来場いただければ幸いです。
山梨英和創立126周年記念コンサートについてはこちらをご参照ください。→Click!