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カテゴリ:園長通信 投稿日:2023/02/01

ここに愛があります(ヨハネの手紙Ⅰ4:10)2023年2月保育聖句

『 ここに愛があります 』

わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。 (ヨハネの手紙Ⅰ 4章10節)

 

 「1月は行く。2月は逃げる。3月は去る。」と言われるように、3学期はあっという間に過ぎていきます。子供たちも、こども園の活動、友だちとの人間関係を通して多くのことを学び、大きく成長しています。また、2月と言えば、あの忌まわしいロシアのウクライナ侵攻が始まって、1年となります。この1年間、ニュースなどでウクライナ情勢が報道されないことはほとんどありませんでした。世界中が見守る中、多くの犠牲者を出しながらも、いまだ終結の兆しが見えません。私たちはただ祈ることしかできません。

今年度に入ってから、山梨英和のこども園ではYMCAとの連携の中で、ウクライナからの避難民の子供2人をお迎えすることができました。また、ウクライナから避難してきた青年たちを各園に招き、祖国の話しやクラフト制作、料理教室などを開催し交流の場を設けています。これは、私たちにとってもウクライナの方にとってもとても意味のある交わりだと思います。ウクライナの人たちは、自分たちを受け入れてくれた日本に対して、自分たちのできる活動を通して貢献しようと頑張ってくれています。園児たちは、交流を通してウクライナという美しい国があること、その国がいまとても悲しい状況になっていることなどを学びました。また、工作では新聞紙を使ってコウノトリを作ったり、親子でパペットを作ったりと今後も交流を続けていきたいと考えています。自分たちの生活する山梨県、日本、その外にも自分たちの知らない世界が広がっていること、さまざまな人々が自分たちとは異なったことばをしゃべり、食べ物を食べ自分たちと違う生活環境で暮らしていることを知り、異文化と触れ合うことは、とても素晴らしいことだと思います。山梨英和は、カナダの女性宣教師によって創立されてから130年、同じく英和幼稚園が創立されてから110年以上の歴史を重ねてきました。そして、創立以来受け継がれてきた「敬神」「愛人」「自修」の校訓が、今も変わらず受け継がれています。ウクライナの人々との交流は、まさに建学以来受け継がれてきた山梨英和のあるべき姿だと考えます。現在は、世界情勢からウクライナというと特別な感じで捉えられがちですが、私たち(子供たち)は、日本を訪ねて下さった外国の隣人(友)としてその関係を今後も大切にしていきたいと考えています。

さて、今月の聖句は「神様の愛」についてです。「愛」とは、さまざまな場面で使われる言葉ですが、漠然としていて説明するにはとても困難な言葉だと私は思います。親子の愛、家族の愛、友への愛、男女の愛どれも私たちが心から大切にしているものです。でも、その愛は決して普遍的なものではありません。愛はいつしか冷め、憎しみに変わることもあります。親友に裏切られ、家族が崩壊し、絶望に打ちのめされることはそれほど珍しいことではないと思います。私には高校時代からとても仲の良い友達がいました。私が京都の大学に進学すると、その友達は兵庫の大学に進学しました。大学時代も、その友達との交流は続きました。そして、私は山梨に就職し、その友達は大阪に就職しました。お互いに社会人になってからも交流は続きました。しかし、ある時その友達は体調を崩し、突然会社を辞めたと連絡がありました。それからしばらく経った頃、再び連絡があり、現在は自分の病気を救ってくれた健康食品の販売をしているということでした。そして、その健康食品がいかに素晴らしいかということを私に説明し、購入を勧めました。当時、得体のしれない健康食品、健康器具の販売をするマルチ商法が社会問題になっていたこともあり、私は友だちが危険な状況に置かれていると勝手に思い込み、心から心配し、強い口調で非難しました。それをきっかけに、その友達との友情はあっけなく終わってしまいました。なぜもっと冷静に親身になって話をすることができなかったのかと、今でもとても後悔しています。

しかし神さまの愛は、普遍的であり決して変わることがありません。私たちが道に迷い、神さまから離れたとしても神さまは私たちを赦し、愛して下さるのです。そして、聖書は「愛する者たち、神がこのようにわたしたちを愛されたのですから、わたしたちも互いに愛し合うべきです。」と続けます。私たちがいま、最も必要としていることは、憎しみや対立ではなく、互いに愛し合うことだと「いま」ほど強く感じることはありません。

園長 石川 健

 

 

 

 

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