『新しい歌を主に向かって歌え』(詩編96編1節)2024年4月保育聖句
『新しい歌を主に向かって歌え』
新しい歌を主に向かって歌え。 全地よ、主に向かって歌え。 (詩編96編1節) |
つい先日、かえで組の子供たちが各園から巣立っていって行きました。カートメこども園、ダグラスこども園、プレストンこども園ともに、素晴らしい卒園式でした。卒園式では、一人一人に保育証書を渡しましたが、園児たちはいつもとは全く違い、とても緊張した表情でした。また、式の中で歌われた歌を一生懸命、心を込めて歌っていたのがとても印象的でした。
3月は別れの月、4月は新たな出会いの月でもあります。新しい年度が始まり、こども園では多くの新しいお友だちを迎えることになります。そして、それぞれの子供が進級し、少しだけお兄さん、お姉さんになりました。また、先生たちも3月で退職した先生、別の園に異動になった先生、4月から採用された先生、それぞれが新たな場所で頑張ることになります。三園の子供たち、保護者、先生方が力を合わせて、子供たちにとって最高の教育環境、最高のこども園を目指し、頑張っていけたら素晴らしいと思います。
4月の聖句は、旧約聖書詩編の言葉です。詩編は、150編からなる、神への賛美、祈り、感謝、悔い改めなどの詩が収められています。そして、今回の「新しい歌を主に向かって歌え。全地よ、主に向かって歌え。」はまさに、年度のスタートに、とてもふさわしい聖句です。新しい年に、新しい場所で、新しい友、新しい先生に出会い、新しい年がスタートします。私たちもそうですが、新しい環境に慣れるにはものすごく時間がかかります。よく「新しい環境になじめない」とか「慣れない環境で大変だ」という言葉を私たちはよく使います。それは、環境に自分を合わせようとするからです。でも、そもそも環境って何なのでしょうか?私が思う環境とは、そこで働く人、そこに所属する人が作り出す、自分たちの居場所のことだと思います。だとするならば、全ての人が少しでも働きやすい、居心地が良い環境をできる範囲で作り上げていくことが大切だと思います。そして、その環境こそ子供たちにとっても居心地の良い環境となるはずです。教育の中では、子供たち一人一人を大切にする(個を大切にする)という言葉がよくつかわれます。でも、本当に一人一人が大切にされているでしょうか?一人一人を大切にするというのは、一人一人の子供たちの声に耳を傾け、歩みが遅く集団についていけない子供がいたら歩みを止め共に歩むこと、一人一人と共に考えること、一人一人と共に喜ぶこと、一人一人と共に泣くことです。でも実際には、集団という名の下に無理やり集団に合わせることを強制され、集団になじめない子供はどんどん置き去りにされていく、こんな現実を私は教育の中でずっと見てきました。集団が意味のないものだというのではなく、一人一人を大切にできない集団には、価値がないと私は考えています。こども園が子供たちにとって家庭に次ぐ第二の大切な居場所になるためには、つらいことがあっても悲しいことがあってもそこには友だちの笑顔、先生方の笑顔があってみんなが励ましあい自分も笑顔になれる。そんな場所を目指します。そのために私たちは、保護者の皆様の信頼のもと、全教職員が一丸となってより良い集団作りに向けて努力する1年にしたいと考えています。
私たち山梨英和こども園では、「キリスト教保育」の理念に基づいた教育保育を実践しています。そのためには、私たち教職員は聖書に書かれた多くの御言葉を大切に教育保育を行っていきます。まだまだ勉強不足のところはありますが、毎日の礼拝、聖書のお話、クリスマス、イースター、花の日、収穫感謝祭などキリスト教に関連する多くの行事、毎日のお祈りなどを通して子供たちの心に寄り添っていけたらと考えています。こども園は、私たちにとっては職場ですが、それ以上に子供たちと共に歩むことができる輝かしく特別な場所なのです。
最後に、私が今年1年間大切にしたい目標とする聖書の言葉を掲げます。
これらの小さな者を一人でも軽んじないように気をつけなさい。 マタイによる福音書18章10節 |
園長 石川 健