幼保育連携型認定こども園山梨英和こども園

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『恐れるな、わたしはあなたと共にいる』(イザヤ書 43章 5節)2025年3月保育聖句

園 長  石 川  健

 恐れるな、わたしはあなたと共にいる。

(イザヤ書 43章 5節)

 いよいよ3月を迎えます。昨年の4月に子どもたちが夢と希望を持って、新たにスタートした2024年度も今終わろうとしています。そして、かえで組(年長)の子どもたちは、さらなる新しい夢と希望を持って、4月からは小学校に入学します。また、その他の子どもたちもそれぞれ一つずつ進級します。私がこども園に来てからちょうど4年目となります。4年間子どもたちの様子を見てきて、心も体も大きく成長した姿をとても感慨深く思います。また、子どもの成長と共に私たち大人も子どもから多くのことを学び成長しているのだということを強く感じます。

 さて、私が中学生の時に、「奇跡の人」という映画を観ました。この映画はヘレン・ケラーを教育した家庭教師アン・サリヴァン先生の話です。ヘレン・ケラーは、生後1年7か月の時、高熱により視覚と聴覚を同時に失いました。そして学齢期になっても、彼女を受け入れてくれる教育機関はなく、両親は困り果てていました。そんな中、自身も視覚障害者であるサリヴァン先生が家庭教師としてヘレン・ケラーの教育に当たることとなりました。映画では、文字を教えようとするサリヴァン先生に対してヘレンが大暴れし、2人とも水浸しになるシーンが印象的でした。やがて、ヘレンはサリヴァン先生を受け入れ、大学を卒業して作家、社会福祉活動家として世界中を回り、視覚、聴覚障害のある人々の精神的な支えとなりました。「奇跡の人」という映画の主人公は、ヘレン・ケラーではなく、ヘレン・ケラーを育てたアン・サリヴァン先生です。目が見えない、耳が聞こえないというのはどれほど困難で恐ろしいことなのか、私たちには想像もつきませんが、そんな中、困難を恐れず、夢と希望を持ち続けたヘレン・ケラーとサリヴァン先生は、私たちに何を語りかけてくれているのでしょうか。ヘレン・ケラーは「世界で最も素晴らしく、最も美しいものは目で見たり手で触れたりすることはできません。それは、心で感じなければならないのです。」という言葉を残しています。聖書の中にも「見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続する。」とあります。私たちは、目で見えるものを重視しがちです。しかし、「優しさ」・「思いやり」・「努力」・「共感」・「共鳴」など、目に見えず、手で触れることができない内面的なものには大きな価値があります。ですから、私たちも子どもたちの目に見えない部分を大切にしていく必要があるのではないでしょうか。

 私たちはストレス社会を生きています。私たちの属する集団には、ほとんどの場合、人間関係という大きな壁が存在します。そこで私たちが一番恐れるのは、集団の中での他者との関係です。そこでとても大切なのが、一人一人の考え方の違いを乗り越えて、お互いに尊重し合える関係を築いて行くことです。しかし、それは容易なことではありません。子どもたちも、園生活の中で、多くの困難に直面します。おもちゃや遊具の取り合い、ふざけていたはずなのに度が過ぎてしまい、相手を泣かせたり、怒らせたりする場面はたくさんあります。こんな日常的なトラブルを通して、子どもたちはその解決の仕方を学んでいきます。そんな時に大人が「〇〇君が悪いから誤りなさい。」とか「お互いに悪かったから握手をして終わり。」などと解決してしまったら、子どもの課題解決力は育ちません。トラブルから学ぶことはたくさんあるのです。

今月の聖句「恐れるな、わたしはあなたと共にいる。」は、私たちが直面する多くの試練、困難から何とか逃れようと常に消極的な解決方法を選ぶのではなく、時には勇気をもって困難に立ち向かって行くことの大切さを教えてくれています。また、次のような聖句が私たちをさらに励ましてくれます。「神様は決して私たちに耐えられない苦難はお与えにならない。そして、必ずその苦難を乗り越える道を備えて下さる。」(コリントの信徒への手紙Ⅰ10:13)とパウロは聖書の中で述べています。恐れてばかりでは、何もできません。

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