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カテゴリ:園長通信 投稿日:2021/03/01

わたしは必ずあなたと共にいる。(出エジプト記3章12節)2021年3月保育聖句

「わたしは必ずあなたと共にいる。」 出エジプト記3章12節

 

神様とはどのようなお方でしょうか。神はいないという人もいます。しかしそのようにいう人も何かは信じています。たとえば自分とかお金、地位や名誉、科学やある種の思想など。それが現代の神だったりします。聖書は神様をどのようなお方と信じて、語っているでしょうか。

今月の保育主題を含む聖書の箇所は神様がモーセに語った言葉とされています。それによれば今からおよそ3300年前、シナイ半島にある山で神様は亡命者のモーセにこう告げられました。

「私はエジプトにいる私の民の苦しみをつぶさに見、追い使う者のゆえに叫ぶ彼らの叫び声を聴き、その痛みを知った。」

「つぶさに」とは詳しく、もれなく、充分にということです。神様はエジプトで奴隷にされている人々の苦しみの叫び、痛みを「つぶさに」見聞きし受け止めたというのです。だからその人々を救うために「私は降って行き、救い出し、導き上る」と言われます。聖書が教える神様は天の高みから世界を睥睨(へいげい)するお方ではありません。神殿の奥深くに鎮座しているお方でもありません。苦しむ者達の現実をつぶさに見て、聴いて、痛みを知って行動されるお方です。神様はご自分が創造された世界を見守って、最後まで責任を引き受けられます。

先の文に「導き上る」という言葉がありますが、これは羊飼いが一匹一匹の羊を見守り養うことに由来します。優しくも勇敢な羊飼いのように、神様は私達一人一人を見守り、飢えを満たし、傷を癒やし、養われるのです。しかし神様はそれをお一人ではなさいません。ご自分の思いを分かちあって共に働くパートナーを求められます。だから神様はモーセに呼びかけられます。

「今、行きなさい。私はあなたを遣わす。我が民を…連れ出すのだ。」

この呼びかけにモーセは戸惑います。自分の年齢–この時モーセは80歳でした–や能力、資質や過去を考えると、とてもではありませんが応える自信はありません。モーセは固辞します。そんな彼に神様はこう告げられます。

「私は必ずあなたと共にいる。」

ためらい、戸惑うモーセは神様の言葉によって力づけられて心を決めます。モーセを奮い立たせたこの言葉こそ、旧約、新約の聖書全体を貫く、揺るぎないメッセージであり、私達に届けられている神様の救いの約束です。

自らを振り返れば、私達もまた弱く、迷いうろたえるだけの人間にすぎません。願っていることと行なっていることがいつもチグハグな誤り多い者です。しかし神様はそのような私達に目を止めて語りかけて下さいます。そして「行きなさい。私はあなたを遣わす。私は必ずあなたと共にいる」と励まして、私達をそれぞれの務めへと送り出し、導いて下さいます。聖書が語る神様は、私達一人ひとりを重んじられ、他者とのかかわりを大切にされるお方です。そのお方が私達と常に共にいて豊かな祝福と恵みのうちに私達を導いて下さいます。年度末を迎える3月、新年度に向けて過ごす一日一日が、一人一人にとって実りある豊かな時となりますようにと祈ります。

園長 大木 正人

 

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