放送礼拝 聖歌隊

箴言17章17節

私達聖歌隊は、9月に盲学校の寄宿舎に入居されている生徒さん達と交流する機会を与えられました。事前に盲学校の校長先生から生徒さん達のお話は聞いていたのですが、交流会が近づいてくるにつれ、「目が見えないってどんな感覚なんだろう」「どんな風に話しかけたり、接したりしたらいいんだろう」と、目が見える私の不安な気持ちがどんどん大きくなっていきました。

また、交流会の練習をしている時、うまくいかないと「なんでこんなことが出来るようにならないんだろう」とネガティブになっていく自分がいました。そんな不安な気持ちで迎えた交流会当日。「気持ちを切り替えなきゃ」と思っていても、やっぱり少し不安な気持ちを引きずる自分がいました。しかし、交流が始まり、どうやったら楽器の音がなるのか、振った り触ったりしながら色々試している生徒さんのチャイムを一緒に持って「こう鳴らすんだよ」とゆっくりチャイムを振ると、柔らかくて明るい音が響き、その生徒さんはとても嬉しそうな表情で何度も何度も鳴らしていました。その様子を見ているうちに、次第に私の心も明るくなっていくことが感じられました。

近所の老人クラブから交流会に参加して下さったお年寄りの方々は、「あっちの音もならしたい」と言って、音の高さが違うチャイムの音を聞き比べて楽しんでくれていました。少し時間が経って全員でドレミの歌を演奏している時、ある生徒さんが突然前に出て、笑顔で指揮を振り出しました。その生徒さんの様子は、周りの人たちをみんな笑顔にしました。

それまでの私は不安やプレッシャーで頭がいっぱいになってしまい、生徒さんやお年寄りの方々のように、音楽をする事によって生まれてくる、純粋な楽しいという気持ちを忘れてしまっていました。気持ちは、自分が出す音や声、表情に大きく影響します。そのことをわかっていたはずなのに、私はずっと「うまくやらなきゃいけない」「できるだろうか」という気持ちを引きずったまま生徒さん達と接していました。そのことに気づくことができた後の合唱は、不安な気持ちを捨てて、「私は歌が好き、楽しい、伝えたい」という気持ちで歌うことができました。

歌っている時に生徒さんが体でリズムを取りながら聞いてくれたり、終わった後にお年寄りの方々が「とても感動したよ、またあなた達の声が聞きたい」と言ってくださったりして、 本当に嬉しかったです。

先日行われた芸術文化祭ではこの交流会での経験を生かし、器楽管弦楽部門、合唱部門、ともに仲間達と楽しみながら精一杯演奏することができました。この芸文祭期間に、私達高校二年生は、「もっとできる」「もっとよい演奏を」と、後輩達に対してつい厳しい言葉を投げかけてしまうこともありました。それでも、たった6人しかいない私達と一緒に、朝、昼、放課後と毎日練習を積み重ね、共に頑張ってきた12人の高校一年生には、感謝の気持ちでいっぱいです。

音楽は一人で完成することはできません。作詞や作曲をする方がいて、私達のように演奏する人がいて、そして聞いてくださる方々がいて成り立つものです。パズルは、ピース1つ1つが1つもかけることなく組み合わされ、初めてパズルが完成します。それと同様に私達も聖歌隊の仲間、指導してくださる先生、一人も欠けることなく演奏することで私達の音楽が生まれます。大切なこの出会いに感謝して、「私たちは音楽が好き、音楽を通してこの時を一緒に楽しみたい」という気持ちを込めて、よりよい演奏を目指していきたいです。