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2019.3.06 / 学校生活 /

本校生徒がJICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテストの表彰を受けました

本校中学3年生の生徒が、JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2018においてOB会会長賞を受賞し、先日表彰されました。

2月21日(木)にJICA山梨デスクの穂坂ちひろ様が来校し、中学校長室で表彰が行われました。

賞状と記念品を受け取った生徒は、将来は音楽家として世界中で活躍したいという夢を語り、今後も国際協力に協力したいと抱負を述べていました。

今回入賞したエッセイを以下に載せておきます。

世界の人々の幸せのために
 私は生まれてから今日までの十四年間、目の前にある平和な日本しか見たことがない。映像や本では、世界各地で起こっている武力紛争やテロ事件、飢餓を見聞きしても、たとえそれが隣国で起きていても、私を含む多くの日本人は、それをまるで他人事のように客観的に眺め、かわいそうだと言っているだけだ。私たちが世界のためにできることは一体何なのだろうか。この疑問はしばらく私を悩ませていたが、その答えを出す糸口は一冊の本の中にあった。
 それはマザー・テレサの伝記で、この本の中で私の尊敬する彼女はこう語っている。
「今日では、貧しい人々について語るのが流行になっています。しかしそれは貧しい人々のことを理解し、愛し、貧しい人々のためにつくすこととは全く別のことです。」
私は、彼女は本当に心が美しくて正しい人だと思う。なぜなら、病人や飢えに苦しむ人のために力を尽くし、そればかりではなく孤独に死を迎え入れようとしている人に寄り添い、安らかにこの世を去っていけるように慰めたのだから。この行動力と愛が人の心を動かし、献身の輪が広がり、世の中をも変えていくのだろう。
 先日、ネットで見たあるニュースに、私はとても悲しく恥ずかしい気持ちになった。それは、日本の企業が木材を安価調達するために、森林を伐採し、東南アジアの先住民の生活を脅かすほどの人権侵害をしているという内容だった。自然豊かな資源を必要以上に、そして人権を侵害してまで手に入れてよいはずがない。いくら物が豊かに満ちあふれる平和な日本にいても、自分たちの幸せしか考えず、過剰に消費をし、他人を思いやる気持ちをなくしてしまったら、その心は貧しくて孤独感でいっぱいになるだろう。
 世界が幸せになるために私ができることは一体何だろうか。まず、地球は富裕社会で暮らす人だけのものではないということを私たちはもっと自覚するべきだと思う。そして資源は無限ではないから大切に使い、地球をみんなで守っていきたい。次に、他人の幸福のために力を注ぐアンテナをいつも張り巡らせていたい。マザー・テレサも「愛の反対は憎しみではなく無関心だ」という言葉を残している。国内外の情勢や環境問題など、様々なことに興味を持つことが大事だと思う。最後に、私は音楽家を目指しているので、音楽で人を幸せにしたいと思っている。音楽は国境を越えて人間の心を一つにする。悲しいときは寄り添い、励ます力がある。楽しいときは幸福へと導いてくれる。世界にたくさんの幸せが生まれるように、私はこれからもっと音楽を学び、生きる糧にしていきたいと思う。

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