1つ前のページに戻る

2020.9.09 / 学校生活 /

放送礼拝 茶道同好会

マタイによる福音書61~4節

 

私は以前、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」でパティシエの杉野英実さんという方が出演された回を見ました。「プロフェッショナル」に登場する方々は自分の仕事に誇りを持ち、努力を積み重ねている人ばかりです。その中でもパティシエの杉野さんは私の中で強く印象に残っていました。

 

杉野さんはパティシエの世界コンクールで日本人として初のグランプリを受賞しました。望めば世界中の脚光を浴びつづけることもできました。それにも関わらず、栄光に背を向けるように東京に小さな店を構えました。テレビでは1人のパティシエとして厨房に立ち続け、お菓子作りに没頭する姿が紹介されていました。

 

杉野さんはお菓子作りに対して一切妥協せず、焼き菓子を少しでも焼きすぎれば作り直し、ケーキに入れる素材を切る大きさにもこだわっていました。このような一つ一つの作業に手を抜かないという「当たり前のこと」にとことんこだわる精神は、修行時代に働いていたフランスのパティシエから学んだそうです。その店ではなにか特別な素材を使っているわけでも、独自のレシピというわけでもないのにその店のお菓子は他とは段違いに美味しく、杉野さんは深い味わいを感じました。

 

ひたむきにお菓子作りに向き合い、細かなところまで丁寧に仕上げるところやお客さんには気づかれることのない部分もこだわりを持っている杉野さんを見て、中学生の頃から茶道同好会で稽古をしている私はこうしたお菓子作りへの向き合い方が茶道の精神にも共通した所があると思いました。

 

茶道のお点前は手順が決まっています。お茶をただたてるのが茶道だと思っていた私は細かで複雑な動作の多さに始めたばかりの頃は戸惑ってしまいました。ですが、その細かで複 雑だと思っていた動作一つ一つにその動きをする理由があるということがだんだんと分かるようになりました。そして、実際にお茶会を開くときにはお客さんが来る前に茶室を整えます。飾る花や掛け軸、使う道具やお茶、お菓子など、茶道にもお客さんからは見えない部分での努力や心遣いが大切にされています。

 

今日読んだ聖書の箇所には「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさ い。」と書かれています。これは見えないところでこそ自分のできる最大限の努力をしなさいということだと私はこの箇所から感じました。

 

これからの茶道同好会の活動、そして部活動だけに限らず日常生活の中で人に見えないようなところでも人のことを思った行動や努力をすることができるようになりたいです。

 

〈お祈り〉

天の神様、今朝も放送を通して皆で礼拝を守れたことに感謝します。今日は人に見えないところでこそ努力を惜しまずすることの大切さをお話しました。今日の聖書の箇所を一日心にとめて過ごすことができますように。このお祈りを尊き主イエス・キリストのお名前によって御前におささげします。アーメン。

月別
年別