山梨英和高等学校入学式式辞
山梨英和高等学校入学式式辞
2017年4月7日
校長 三井 貴子
みなさん、山梨英和高等学校へのご入学おめでとうございます。皆さんのご入学を心からお祝いし、歓迎いたします。山梨英和高等学校に、今年は102名の新入生を迎えることができ、本当にうれしく思います。義務教育を終え、勉学を続けることを望んで今ここにいる皆さんには、自己責任を伴う未来に繋がる高校生活が待っています。
高等学校は義務教育とは違い、今まで以上に主体的に学ぶ姿勢が求められます。皆さんは毎年お正月に行われる大学箱根駅伝をご存知ですか?ここ3年連続総合優勝しているのが青山学院大学駅伝部です。この優勝に導いたキーパーソンが原晋監督50歳です。2004年にサラリーマンから転職し、学生の主体性を重んじた指導を粘り強く重ねた結果、2015年に初優勝。その後3連覇を遂げています。箱根駅伝に30年以上出場する事も出来なかったチームを優勝に導くまで、監督就任から11年かかりました。その原監督の手法とは「主体的な取り組みの実践」そのものです。
まず、監督が指示をおろすのではなく、選手自身が目標設定を行う。その際の留意点は次の通りです。
目標から逆算して計画を立てる。
目標を長期・中期・短期で分けて考える。
紙に書く。
数値で管理する。
期限を決める。
互いに達成度を話し合い、達成出来なかった場合、何が良くなかったのかを分析する。目標が達成できるまで、これを繰り返すのです。実はこれはPDCAサイクルそのものです。Plan→Do→Check→Actionです。目標を設定し計画を立て(Plan)、実行する(Do)、予定通り進んでいるか確認し(Check)、分析を行い再度実行する(Action)。
これらを選手達が管理し、主体的な取り組みを実践した結果、夢が実現したのです。勉強も同様です。自らが明確な目標を設定し、主体的に取り組む事で皆さんの学びもどんどん深まっていきます。イヤイヤながら勉強させられるのと主体的に学ぶのとでは、結果は全く違うものになる事はすでに科学的にも明らかにされています。さあ、既に義務教育を終えた皆さんはどうしますか?
本校は2013年より文部科学省からSSH(Super Science Highschool)に指定されています。そして1年生から全員が自ら選んだテーマで課題研究に取り組みます。この課題研究には探求力と根気が必要になります。探求力とは、まさに自ら探し求める力です。SSHの取り組みのみならず、山梨英和では皆さんが主体的に学ぶ様々な環境が整っています。このメリットを活かして、独自のPDCAサイクルを確立し、夢の実現に向けて力強く前進して頂きたいと切に願っています。ただし、皆さんに与えられている山梨英和高校での生活は、3年間という限られた時間です。逆算してのタイムマネージメントが必要ですね。
山梨英和の校訓は「敬神・愛人・自修」です。今、活かされていることを神様に感謝し、神様から与えられた能力を見いだすために主体的に学び、そして、その能力を他者のためにどのように活かすことができるのかを見い出すということです。
皆さん一人ひとりは神さまから愛されているかけがえのない存在です。まずは他の人とは違う自分自身の存在を認め、感謝し、自分に何ができるのか考えてみてください。そして、それを行動に移す勇気を持ってください。たとえ失敗を繰り返しても、くじけそうになっても、神様が背後で支えていてくださいます。
今年、山梨英和は創立128年目を迎えます。皆さんの行動には、伝統を継承し新たな時代を築き上げていく山梨英和高校の生徒としての責任が伴います。規律を守り、山梨英和高校の生徒としての誇りを持ってかけがえのない一日一日を大切に過ごして欲しいと思います。
最後に、今日読んだ聖書には、皆さんが選んだのではなく、「私があなたがたを選んだ」と書いてあります。聖書的に言うならば、皆さんは神様に選ばれて、山梨英和高等学校に入学したということになるのです。常に心の中に留めておいてください。
保護者の皆様、お嬢様の山梨英和高等学校へのご入学、心よりお喜び申し上げます。この3年間は、生徒たちが自分自身を見つめ、今後の人生を決定していく、極めて重要な時期です。生徒の自立を促しながら、時には暖かく、時には厳しく成長を支えていきたいと思います。生徒が安心して高校生活を送るためには、保護者と学校の信頼関係が強固なものでなくてはなりません。本校の教育方針へのご理解をお願いいたします。
山梨英和高校での生活が、豊かで充実したものとなりますように、心から祈りつつ、式辞と致します。