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2019.1.23 / 学校生活 /

放送礼拝 伊藤先生

聖   書:マタイによる福音書2章1~12節

讃 美 歌:432番          

 

2019年が始まりました。新年の抱負など立てましたか。さて、キリスト教の新年はと言うといつでしょうか。それはイエス様の降誕祭・クリスマスです。そして教会ではそこからイエス様の幼年期・青年期・受難・イースター(復活)までの御生涯をたどっていきます。

今朝はイエス様のお誕生から始まり、イエス様の生涯をたどる旅をした人のことをお話しします。

 

東の方から、占星術の学者達が不思議な星に導かれてエルサレムにやってきました。彼らは高い学問を受けた天文学や薬学の博士で、ユダヤ人の王が生まれたと知りました。王に初めて会いに来たのはイスラエルの神様とは縁のない人たちで東方から夜間に長旅をして来ました。彼らは東方(中東世界)から来たメルキオール、西方(ヨーロッパ世界)から来たカスパル、そして、南方(アフリカ世界)から来たバルタザールという学者だったという伝説があります。ですから彼らは王であるキリストと出会う世界のすべての人々の代表というわけです。

学者達はエルサレムに来て尋ねます。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか」と。ヘロデとエルサレムの人々は不安になりました。ヘロデは祭司長や律法学者を集め、王の生まれる地を問い、「ユダヤのベツレヘムです」と答えを得ました。彼は、占星術の学者達を呼び言いました。「その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ」。ヘロデは、学者達の報告を受けて次の手を打つ手はずを整えます。

再び、星が学者達を導き、幼子の家の上で泊まりました。家に入ると幼子は母マリアと共におられ、学者達は幼子にひれ伏し、黄金・乳香・没薬を献げます。遙か彼方から、夜の間輝く星を頼りに長い旅を続けてきたユダヤ人でない博士達が、初めて幼子に出会ったのでした。

 夢のお告げが「ヘロデの所に帰るな」と学者に示したので、彼らはヘロデに会わずに別の道から国に帰り、ヘロデの悪巧みは打ち砕かれました。そうして、それぞれ自分たちの国に帰って行きました。

私たちは東方(中東世界)から来たメルキオールから幼子の誕生の話を聞いた子孫たちかもしれませんね。

東方の博士の訪問から、ヴァン・ダイク作「もう一人の博士」を思い出します。マタイによる福音書には学者は学者達とあって、3人とは書いてありません。この物語には4人目の博士アルタバンが登場します。

彼は、輝く星からユダヤの王の誕生を知り、財産を売り払ってサファイヤ・ルビー・真珠を買い求め、王に宝石を献げようと旅立ちます。他の博士達との集合場所に急ぐ途中、瀕死の男性を介抱するのに手間取って約束の時間に遅れてしまいます。その後砂漠を先行する仲間を追い、疲れた馬の代わりにラクダを買うためにサファイアを売り、3日遅れでベツレヘムに着きました。しかし、他の博士達は既に帰路につき、救い主と両親はヘロデの追っ手を逃れエジプトに逃げ去っていました。

彼はヘロデが幼子の王を殺すため、兵隊を差し向けた混乱にも遭遇します。そこでお世話になった母親と赤ちゃんを助けるため、ルビーを兵士に差し出してしまいます。

その後、彼は33年間、救い主を捜し求め、エジプトからエルサレムに戻ります。捜していた救い主が十字架にかけられると聞き、王を救う身代金に真珠を差しだそうとしますが、借金のため奴隷として売られる娘を助けるために真珠を差し出してしまいます。こうして王に差し出す宝物はすべて無くなってしまいました。

救い主が息を引き取り大きな地震が起きた時、落ちてきた重い瓦で重傷を負ったアルタバンと助けられた娘は静かな天の声を聞いたのでした。「私の兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、すなわち私にしたのである。」

彼は救い主に出会い、宝物は小さな者を通して、すべて主が受け取られたのです。

奇しくもアルタバンの人生はイエス様の生涯をたどるものになったと言えます。それもずっと会えずに探し求める人生でした。読者から見たら、何と歯がゆいことか、人に任せて先に行った方がいいのにと何度も思いますし、周りの人も彼のことを思いやったらいいのになどと思います。しかし彼は葛藤しながらも、自分のためでなく、自分のできる精一杯の事を他者のために尽くさないではいられないという人でした。

私たちの人生の旅において、もがき苦しみ、捜し求め続けて答えは見つからなくても旅を続け、そのただ中で自分のベストを尽くして他者のために生き、最後に「私の兄弟である小さな者のひとりにしたのは、私にしたのである。」という声を聞けたらどんなに幸いでしょう。

 

これは物語ですが、アルタバンがまるで実際に生きていたかのように感じ、私の心に焼き付いて離れません。図書室にも置いてあります。ぜひ、「もう一人の博士」をご自分で読んでみて下さい。

 

お祈りします。

「天のお父様、御名をあがめ讃美致します。

東方の博士達は、自分たちが努力したり知恵を絞ったからメシアをベツレヘムに見いだしたのではありませんでした。輝く星に導かれなければベツレヘムで幼子に出会うことはできなかったことを思います。また、アルタバンのように探し求めて行く人生の中でキリストに出会えますように、常に私たちを支え導いて下さい。いつも主が共に歩んで下さっていることを信じ感謝いたします。このつたなき祈りを、お一人お一人の祈りに合わせ、尊き主イエスキリストのお名前を通して御前にお捧げ致します。

 アーメン」

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