放送礼拝 美術部
ヨハネによる福音書13章34~35節
私は高校1年生の時、大きなキャンバスに大好きな動物の絵をかいてみたいという思いから、美術部に入部しました。授業後、毎日絵を描けることが嬉しくてワクワクしていました。ですが、私が入部した時の美術部には同級生の部員がおらず、2年生3年生の先輩が中心となって活動していました。絵を描くことの楽しさと共にとても緊張していた私は、先輩方とどう接していけば良いのか分からず、無言でスケッチブックに絵を描いていました。人とコミュニケーションをとるのが苦手ではない私にとって初めての経験でした。
部活中、先輩方は各学年の間で会話が弾み、私はどうしても孤独を感じてしまいました。そんな時、ある3年生の先輩が部員みんなに話しかけ始め私も会話の輪に入ることができました。私はいつの間にか緊張が解れ、その先輩の一言がきっかけで自ら会話をして先輩方と同じ机で絵を描くようになりました。あれから2年が経ち、部長として部を引っ張っていく立場となりました。私はいつもあの先輩にかけてもらった一言を胸にとめています。そして少しでも部活動を楽しいと思ってもらいたいという思いから、後輩に積極的に話しかけるようにしています。部員みんなで一つの話題について話すことはなかなか難しいですが、皆で笑いあいながら絵を描く時間は特別であり、一段と楽しいです。
美術の創作活動は自分一人の世界で表現を追求していく時間を必要とします。時には、だれの声も聞こえないほど集中することもあります。しかし、部活動はただ一人で黙々と制作するだけでなく学年の垣根を越えてお互いに理解し合い、高め合い、同じ時を過ごす仲間として絆を深めあう場でもあります。部活動での経験から得た「相手を思いやる心」を忘れずに、これからの出会いや他者との関係性を大切に過ごしていきたいです。
最後にもう一度聖書を拝読します。「互いに愛し合いなさい。私があなたを愛したように、あなた方も互い
に愛しあいなさい。」




